小中高の教師はWindowsを支持--ITRのタブレット端末調査

山田竜司 (編集部)

2014-03-11 16:12

 アイ・ティ・アール(ITR)は3月10日、全国の300人超の現役教師を対象に実施したタブレット端末の活用に関する調査結果を発表した。現役教師の86.4%がタブレット端末の活用に前向きという結果が出た。

 タブレット端末を教育現場に導入することの是非についての設問では「賛成」「どちらかと言えば賛成」を合わせた回答の割合が全体の86.4%だった。この回答者の中にはタブレット所有者が約40%含まれるものの、タブレットを持っていない教師でも賛成派が多数を占めていた。


教育現場へのタブレット導入に対する賛否

 タブレット端末で最も重視する用途は、「インターネットを利用した調べ物」(31.8%)、「電子教科書のビューワ」(30.6%)の2つがあり、インターネットの活用を想定していると説明した。

 タブレット端末の導入による「児童・生徒にとってのデメリット」に関する設問では、「インターネットの有害情報にアクセスしやすくなる」(31.8%)、「個人情報の漏えいリスクが増す」(28.2%)という回答が一定の割合を占めた。

 セキュリティに関する設問では、児童や生徒の年齢などによって異なる結果だった。高校に勤務する教師の間では「インターネットの有害情報にアクセスしやすくなる」が2番目に多くの回答を集めるなど、小、中学校よりもセキュリティ不安が高いことが示されたという。


児童・生徒にとってのタブレット活用のデメリット(教育機関別)

 また、児童や生徒数が1000人超の大規模校でも、インターネットの有害情報へのアクセスや、個人情報の漏えいのリスクといったセキュリティへの不安が特に大きくなっているという。


 教師たちに、自らの勤務先で導入するのに「最もふさわしい端末のOS」とは何かという設問では「Windows」が最も多くの回答を集め、次にiOS、Androidが続いた。ITRは学校の既存システムとの整合性や、WindowsOSの普及率がこの結果に寄与したと考察する。「回答者の40%はiOSやAndroidなどのタブレットを所持しているケースが多かったが、実際に学校に導入するべきデバイスにはWindowsタブレットを挙げる教師が多かった」(ITR)

 ITRは「利用者の多くが子供である教育現場でのタブレット導入に関しては、OSや連携するクラウドサービスの利用規程もセキュリティの評価対象とし、最低でも3年間は継続利用が保証される製品を選ぶべき」と提言している。

 調査は2013年12月、全国の小、中学校と高校に勤務する現役教師を対象に実施し、有効回答は330件だった。

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