損害保険ジャパンは、基幹業務システムの社内オンラインシステムや代理店システムなどを日立製作所が運営するクラウドに移行、稼働させている。日立製作所が3月13日に発表した。国内の金融機関でクラウドを適用した実績の中で最大規模という。
損保ジャパンはこれまで、社内オンラインシステムや代理店システムなど基幹業務システムの基盤をオンプレミスで構築、運用しており、複数のデータセンターに約1250台ものオープン系サーバがあった。
今回の基盤は、その大部分を仮想化で統合、集約し、クラウド環境へ移行した。システム運用保守を一元管理するほか、機能拡張にも柔軟に対応できるという基盤環境を実現し、ITインフラの総所有コスト(TCO)の削減、セキュリティや事業継続性を強化していく。共有(マルチテナント)型と占有(シングルテナント)型を組み合わせたハイブリッドクラウド構成としている。
社内オンラインシステムは、損保ジャパンの従業員が契約照会や保険料計算、精算収納、保険金支払といった基幹業務を回すためのシステムであり、約1万8000人が利用する。代理店システムは、代理店での保険募集から契約締結、事故報告など一連の業務を支援するもので、全国の損害保険代理店ユーザー約36万人に利用されている。
今回稼働したシステム基盤は、垂直統合型システム製品「BladeSymphony」、大規模ディスクアレイシステム「Hitachi Virtual Storage Platform」などストレージやネットワーク製品などを採用。ハイパーバイザ「VMware vSphere」での仮想化環境がベースとなっている。
システム全体の統合監視に日立の統合システム運用管理ツール「JP1」を活用している。システム基盤そのものは日立が保有し、日立のデータセンター内に構築されている。損保ジャパンは、PaaS形態の従量課金制クラウドサービスとしてネットワーク経由で利用する。
今回稼働したシステムの概要図(日立製作所提供)