ヴイエムウェアは3月13日、ストレージリソースを仮想化するソフトウェア「VMware Virtual SAN」の販売を開始したと発表した。2013年8月に開催されたイベント「VMworld 2013」で発表された。“ソフトウェア定義ストレージ(Software-Defined Storage:SDS)”分野の最初の製品と説明する。
Virtual SANは、サーバに内蔵されたHDDとフラッシュストレージを抽象化、プール化することで仮想マシン(VM)向けに性能と耐障害性に優れた共有データストアを作成できるという。ハイパーバイザ「VMware vSphere」のカーネルに統合されたハイパーバイザ統合型アーキテクチャとしている。
効率的なデータへのパスを提供するとともに、ITリソースの使用率を最小化し、CPUのリソース消費を10%以下に抑えるという。サーバに搭載したフラッシュストレージを読み書きキャッシュに活用することで最適な性能を実現するとメリットを説明している。
性能や容量のプロビジョニングには柔軟かつ細やかなアプローチを採用しており、1ノード単位でクラスタまたはディスクを追加してオンデマンドかつリニアにクラスタを拡張できるという。ポリシーに基づいて管理でき、Virtual SANの単一データストア上でVMごとのポリシーに基づいてさまざまなサービスレベルを設定できるとしている。自動化されたプロビジョニングと管理でIT管理者のSLA達成を支援する。
Virtual SANはVMwareスタックと統合されている。バックアップ、クローン作成、レプリケーション、スナップショットなどのデータサービス、VMwareのDistributed Resource Scheduler、High Availability、vMotion、Storage vMotionなどの機能も利用できる。「VMware Horizon View 5.3.1」「VMware vCenter Site Recovery Manager」「VMware vCenter Operations Management Suite」「VMware vCloud Automation Center」との相互運用性も備えている。
市場想定価格は1プロセッサあたり31万2000円から。CPUのコアや仮想メモリ(vRAM)VMの制限はない。デスクトップ向けは1ユーザーあたり6000円から。
Virtual SANと「VMware vSphere Data Protection Advanced」のパッケージも期間限定で販売され、1プロセッサあたり市場想定価格36万円からという。「VMware vSphere Storage Appliance」のユーザーは、期間限定で割引価格でVirtual SANにアップグレードできる。