データ・アプリケーション(DAL)は3月26日、データ変換ツール「RACCOON」の販売を開始した。異なるシステム間のデータの連携や移行、変換、フォーマットの変換、文字コードの変換などのデータハンドリングをノンプログラミングで実現できるという。M:Nのデータとファイル変換とソートやJOINといったデータ加工を簡単に実行できるとしている。
システム間のデータ連携には個別にプログラムを開発するケースも多いが、連携対象となるシステムの数が増えるにつれて開発工数が増加するため、効率的に開発できる連携ツールのニーズが高まっている。流通小売業界では、販売時点情報管理システム(POS)データやポイントカードの情報など購買履歴から顧客データを分析し、売上向上、効率化に役立てるデータ活用の動きが活発化しており、各種システムからデータを収集し、ビジネスインテリジェンス(BI)システムに受け渡すハンドリングツールのニーズも高まっている。
RACCOONには開発環境として、ドラッグ&ドロップで直感的に操作できるマッピングツール「RACCOON Developer Studio」が用意され、データの入出力フォーマットの定義や項目の簡単に対応付けできるという。GUIには、開発者に馴染みのあるEclipse RCP(Rich Client Platform)を採用しているので、習得のための時間を要さないとしている。
こうして作られた変換定義を実行環境である変換エンジン「RACCOON Transfer Engine」がデータ変換やフォーマット変換、文字コード変換、ソートやJOINといった加工を処理する。作成した変換定義は仕様書として出力でき、部品化して再利用も可能、開発生産性の向上やチーム開発の効率化にも役立つという。
同社はRACCOONを2013年5月に開発、パートナー各社による試験導入の評価をもとに機能を改善してきた。試験導入では、特に複数ファイルからのデータ抽出やソートなど事前処理に手間のかかる電子帳票システムやデータ交換システムと基幹システムとの連携でデータの変換や加工の開発効率を向上、複雑なニーズにも確実に応えられることが実証されたとしている。
DALでは、ニーズの高まりを受けて企業アプリケーション統合(EAI)やビジネスプロセス管理(BPM)、データを抽出、変換・加工、ロードする(ETL)ツール、BIシステムを構築する企業、システムインテグレーター(SI)に向けてRACCOONのメリットを訴求していくとしている。DALのパートナー各社からも、RACCOONを適用した帳票システムやサービスが提供されるという。
税別価格は実行環境と開発環境を各1ライセンスずつ含むパッケージで300万円、開発用ライセンス(商用利用不可の実行環境と開発環境×5ライセンスのセット)で200万円。初年度販売目標は50システムとしている。
統合的に操作できるという(DAL提供)
ドラッグ&ドロップで操作できるマッピングツール(DAL提供)