ニールセンは3月26日、2014年2月のスマートフォンとPCでのインターネット視聴率データから、インターネットサービス利用のスマートフォンへのシフトの状況を分析し、結果を発表した。20代を中心に、オンラインショッピングや動画サイトの閲覧などで、ユーザーがスマートフォンにシフトする傾向が見えたという。
元となった調査データは、同社のメディア視聴行動分析のうち、スマートフォン視聴率情報Nielsen Mobile NetViewと、PC版インターネット視聴率情報Nielsen NetViewの2月のデータ。今回は、各種サービスの利用がPCからスマートフォンにシフトしている状況を分析するため、各スクリーンからリーチしている規模(利用者数)を指標として分析した。
2014年2月 各スクリーンからのインターネット利用者数(ニールセン提供)
上図に示されているのは、2014年2月における各スクリーンからのインターネット利用者数比較。全体の利用者数は、PCからが5237万人、スマートフォンから(アプリの利用とウェブサイトの訪問の両方を含む)が3874万人と、スマートフォンのインターネットサービス利用者数はPCのインターネットサービス利用者数に対して74%の規模に拡大した。
年代別にみると、20代や30代では、既にスマートフォンからのインターネットサービス利用者数がPCを上回っており、特に20代ではPCからの利用者数の約2倍になっていた。カテゴリごとにみると、半数を超える8カテゴリでスマートフォンからの利用者数がPCの利用者数を上回っていた。また、各スクリーンからの利用者数が平均100万人を超えるサイトでは、全403サイトのうち60%以上のサイトでスマートフォンからの利用者数がPCからの利用者数を超えていた。
「オンラインモール」および「ビデオと映画」カテゴリ 利用者数トレンド
カテゴリのうち「オンラインモール」「ビデオと映画」では、2月に入ってPCからの利用者数とスマートフォンからの利用者数がほぼ同数になっていた。
楽天市場およびAmazon 利用者数トレンド
YouTubeおよびniwango 利用者数トレンド
さらに、この2つのカテゴリのうち、スマートフォンからの利用者数上位2サイトのトレンドをみると、楽天市場は2013年の12月時点で既にスマートフォンからの利用者が上回っており、AmazonやYouTube、ニワンゴ(ニコニコ動画)では、2月がスマートフォンからの利用者数がPCからの利用者数を上回る転換点となっていることが分かる。
こうした動向について、同社アナリストの高木史朗氏は、以下のように説明している。
「オンラインショッピングや動画は画面サイズなどの使い勝手から、PCのほうが利用しやすいと考えられてきましたが、今回、これらのカテゴリでも、スマートフォンからの利用者数が上回ったことは注目すべきポイントと言えるでしょう。100万人以上が利用するサイトの60%はスマートフォンにシフトしており、利用者の多いサイトほど移行が進んでいることも重要なポイントです。画面サイズではPCと比べ不利なスマートフォンでも、スマートフォンに合わせてユーザーの利便性を向上させることにより、さらに利用者数を増加させることができると考えられます。そのような中で、競合や、自社サービスと似たカテゴリの中でスマートフォンへのシフトに成功しているサービスの特徴や利用者属性といった情報は、自社サービスの改善を図る上で有益な情報となるでしょう」
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