石井氏はViPRの利点として「ストレージ管理者にとっては、運用工数短縮によるコスト削減、作業自動化による属人性の排除とサービス品質の向上、オブジェクト格納とデータ保管のコスト削減、ビッグデータ解析基盤を容易に構築できるというメリットがある。エンドユーザーにとっては割当時間のリードタイム短縮でサービス利便性が向上し、満足度を高めることができる」と語った。
価格は個別見積もりとなっており、容量単位での課金方法を採用している。初回購入時のみ、最小構成100Tバイト以上のストレージの購入が必要となる。

三菱電機情報ネットワーク 常務取締役 セキュリティ・プラットフォームサービス事業部長 鈴木壽明氏
クラウドでストレージ仮想化は重要な要素
同社は、ViPR早期検証プログラム(EAP)を全世界の主要ユーザーを対象に実施。日本からは三菱電機情報ネットワーク(MIND)が参加したという。
MIND常務取締役でセキュリティ・プラットフォームサービス事業部長の鈴木壽明氏は「当社はクラウドサービスを提供しているが、今後のサービスの多様化などに対応するためにもストレージの仮想化は重要な要素であると考え、その点からViPRに着目した」とEAPに参加した背景を説明した。
EAPでは、抽象化やプール化、自動化による効率化のほか、統合管理ツールとの連携、高度なストレージ構成への対応、クラウドサービスでの品質確保という4つのポイントに注目し、65項目から評価したという。
「効率化、統合管理ツールとの連携では期待した結果が表れた。自動化では期待以上の評価となった。高度なストレージ構成への対応とクラウドサービスでの品質確保では一部課題が残ったが、ストレージ装置の高負荷などを考慮して、割り当てる機能や、(分散型ストレージ仮想化ソフトウェアの)“VPLEX”環境での割り当て動作の安定性の改善、性能を考慮したVMデータストアボリューム拡張仕様への変更などの点を、米EMC本社にフィードバックし、一部はViPR バージョン1.1に反映している」(鈴木氏)
鈴木氏は「専門SEが数時間から1日程度かかっていた作業が約5分に短縮し、ビジネスニーズに迅速に対応できる。今後は、次期バージョンの検証やポータルサービス強化に向けた連携検証、運用設計と実装に向けて取り組んでいく」と今後を語った。