南部ベトナムでは長袖のシャツが必須!?
一方、ホーチミン市を中心とする南部ベトナムこそ、日本人のイメージに近いベトナムなのではないでしょうか。一年中30度前後の気温で寒さ知らず。真冬の日本からホーチミン市に移動するとまさに天国です。エアコンの効いた部屋で冷えたビールで乾杯するのがたまらない気候となります。
5月頃から11月頃は雨期ですが、それでも日本の梅雨のような雨期ではないため、日本人にはうらやましい気候となります。ただし、慣れというのは恐ろしいもので、日本人同士でも「昨日は寒くてさぁ、なんか風邪ひいちゃったよ」「へぇ、何度くらいまで下がったの?」「20度切ったみたい。もう寒くて寒くて……」といった会話が成り立つほどです。
このように南部ベトナムでは、冷房対策として長袖のシャツが重宝します。3月とはいえホーチミン市では少し汗ばむ陽気。そのような時にタクシーに乗ると、キンキンに冷えた冷気を直接当ててくれたりします。ベトナム人にとってみれば親切でやってくれていることですが、特に日本人出張者にしてみれば体調を崩す原因になりかねません。袖があるだけで大分違うものです。
もう一つ、長袖シャツの効用が日焼け対策です。美白にうるさいベトナム人女性がバイクを運転するときには、大きなサングラスで顔を、花嫁のウェディンググローブのような手袋で腕と手を、腰巻ストールで足を隠すといった完全防備をすることは常識です。
「薄手のシャツなんてベトナムでは紫外線を通して日焼けしちゃうから役に立たないわ。夏でも厚手のパーカーを着ないとバイクの運転はできないわよ」とベトナム人女性が言うほどの日差しの中では、夏にむやみに素肌をさらしていると、日焼けを通り越してやけどになってしまいます。