大元隆志のワークシフト論

営業担当をつける余裕はない--クラウド事業者のさえたやり方(後編)

大元隆志(ITビジネスアナリスト) 2014年04月16日 07時30分

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 前編では、単価の低いクラウドサービスを勉強会を活用しながら販促しているNTTコミュニケーションズの例を紹介。成功の要因として、マーケティング担当者の社外活動に注目した。今回は後編。質問者が筆者の大元隆志氏、回答者はNTTコミュニケーションズの林雅之氏。

--社外活動と会社の業務をリンクさせようとした時に、コツはありますか。

 会社の戦略と一致させることだと思います。それ以外だと評価されるのは難しいでしょう。

--評価されづらい取り組みとはどのようなものですか。

 「先手を打つ」ものですね。例えば今ですとオープンデータに関する書籍を上梓したのですが、われわれはオープンデータ関連の事業を持っているわけではありません。これは弊社に限ったことではなく、世の中に新しい動きが出てきても会社が事業化をするまでにはタイムラグがあります。そのタイムラグの間は評価されにくいでしょう。

--なるほど、会社の事業に関わりが薄い分野でいくらメディア露出しても評価はされないと。しかし、そのタイムラグの間に種をまいておくことは重要ではないでしょうか。

 はい。クラウドの時も社外活動と会社の事業がリンクするまでには時間がかかりました。しかし、社外活動での活動があったからこそ事業の立ち上げがスムーズになったと実感しています。

 オープンデータに関しても事業化は未定ですが、私のオープンデータに関するブログや講演実績が、案件獲得時の評価ポイントになったこともあります。

 会社の事業化のペースに関係なく世の中は変化します。顧客が何か新しい取り組みを始めようと考えた時に、「NTTコミュニケーションズ」が常に想起される、そうありたいと考えています。

 ですから会社の評価に関係なく、いずれ会社の事業に関係してくると思う分野での社外活動は継続していきたいと思います。幸いなことに、ウェブ2.0で育った若手を中心に「先手を打つ」ことの重要性を感じ始めている社員も増えてきています。そういった社員に自分のツテを紹介してメディアへの寄稿や講演の機会を提供するよう工夫しています。

--周囲の理解者を増やすことは大切ですね。こういった活動で感じた苦労はありますか。

 本業とのバランスですね。どうしてもどちらかに力を入れ過ぎると、片方が疎かになりますから。

--なるほど。では、もし本業と社外活動どちらかを優先しなければならないとするとどうしますか。

 その場合は、迷わず本業を優先します。

--こういった活動を続けてきて良かったですか。

 良かったです。会社としては競合に当たる企業から講演依頼や、勉強会や各種イベントのお誘いがあるので、クラウド業界の動きが手に取るようにわかります。Cloudnのマーケティング戦略を考える上で糧になっています。

 なにより、会社を超えて最先端で活躍されている大勢の同士と出会えたことでしょうか。これが何よりの財産です。

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