大元隆志のワークシフト論

営業担当をつける余裕はない--クラウド事業者のさえたやり方(後編) - (page 3)

大元隆志(ITビジネスアナリスト)

2014-04-16 07:30

 社外活動という枠組みで「先手を打つ」ことができる社員の存在もまた、企業の競争力につながっているのではないだろうか。実際、Cloudnの勉強会立ち上げには林氏の社外活動実績が大きく貢献している。

 黎明期の段階で「本業との親和性がない」「収益性が低い」などもっともな理由で取り組みを中止するのはたやすい。しかし、そのリスク回避思考によって、大きな成長のチャンスを逃してしまうこともある。現状維持を打破するには、時に先手を打つリスクを取ることも大切だ。

 先手を打つ部分を企業として取り組めるようになるのが理想だが、今のように次から次へと新技術が登場する時代では、すべての分野で企業として取り組みを率先して開始するのはリスクが高い。

 こういった社会に定着するかどうかを見極める不確実性の高いフェーズでは社員の社外活動を上手に取り入れ、市場に足場を作っておく。確実性が高くなったと判断できれば事業化し、組織として対応する。この時、既に先行して活動した社員を事業化の企画要員として取り組めばすぐに知見を取り入れることが可能であり、場合によってはプレゼンスも確立できているかもしれない。

 クラウドやソーシャルメディア、スマートデバイス、ビッグデータ、Internet of Things……。例年のように新技術が登場する。これらの技術を事業で有効活用できているだろうか。もしできていない、あるいは競争の中で埋もれてしまっているという課題を持っているとしたら、「先手を打つ」ことができる主体性を持った社員の有無に差があるのかもしれない。

大元隆志
通信事業者のインフラ設計、提案、企画を13年経験。異なるレイヤの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。『ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦』など著書多数。

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