佐賀県、救急医療システムのiPad活用で年間4000万円削減--テレワークにも活用

山田竜司 (編集部)

2014-04-01 17:25

 佐賀県は推進する「佐賀県医療機関情報・救急医療情報システム」と「モバイルワーク推進実証事業」などに「iPad」を活用。その管理や運用にアイキューブドシステムズのモバイル端末管理基盤として「CLOMO」を活用している。

 2011年4月から同システムは稼働。配布するiPadはこの3月時点で120台となっている。

 医療機関情報・救急医療情報システムは救急医療時の「効果的な搬送先選定」「搬送先の分散化、適正化」を実現し、救急隊と医療機関での情報を共有をするために構築された。 佐賀県ではすべての救急車にiPadを導入し、「医療機関の救急患者受入状況、実績」などをリアルタイムに入力、共有が可能なシステムを構築し、救急現場の可視化に取り組んだ。

 iPad上には「受入先を探すための病院検索」「搬送実績の入力」「搬送状況の確認、共有」の3種類のアプリがあらかじめ導入されている。救急隊員からは、搬送先病院を探す手間が減ったほか、他の救急車の動向も分かるようになったことが評価されているという。

 各救急隊ごとに、救急患者にあわせて、薬検索や翻訳、筆談など、搬送に役立つアプリを独自に導入して運用するなど、現場での自発的なiPad活用が進んでいると説明する。システムは2011年4月から稼働。この3月時点の配布されたiPadは120台となっている。

 導入するアプリは現場の判断を尊重しているが、最低限のルールを設けてモバイル端末管理システム(MDM) 「CLOMO MDM」で、利用アプリを監視している。CLOMO MDMを選んだ理由として、機能やユーザーインターフェース(UI)、通信キャリアに依存しない点などを挙げた。システム担当が変わっても運用を続けられると考えたという。

 また、あらかじめ導入したアプリは、ユーザーによる削除ができないようにしている。 あらかじめ導入したアプリは、CLOMO MDMでユーザーが削除できないようにしている。モバイルアプリ管理(Mobile Application Management:MAM)の「CLOMO MOBILE APP PORTAL」でアプリを配信している。

 これらの体制を構築した結果、救急搬送時間を短縮し、搬送先医療機関の分散化に成功。佐賀県医療機関情報や救急医療情報システム利用率を向上させたことに加え、クラウドサービスの導入などもあり、年間約4000万円の運用コストを削減したという。

 2013年8月から進めているモバイルワーク推進実証事業では、100台のiPadを試験的に導入している。行政サービスの向上と業務の効率化を狙っているという。佐賀県庁内の35チームにiPadを配布し、出張先や自宅などからでも、職員ポータルや文書決裁システムなどの各種システムを使えるようにするなど、各所属の業務に応じた実証事業を実施した。

 iPadを配布した所属先の担当者から、「業務改善に効果的である」という実証報告を得たため、この4月から導入規模を1000台に拡大した上で在宅勤務を含めた“テレワーク推進事業”を実行するとした。救急医療システムのときと同じく、モバイルワーク推進実証事業でもCLOMO MDM を使って端末のアプリを集中管理しているという。

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