--インテル自体は、ITをどう生かしているか。
社内のIT部署には攻めるIT部門になろう、と呼びかけています。当社では毎年、自社内でのIT活用の成果を発表してるのですが、近年は何よりモビリティの活用で、社員がより柔軟に働ける環境を構築することを重視しています。BYODができるよう、個人のPCを社内のネットワークに接続できるようにしています。基本的にどこにいても仕事をすることができ、会社で残業することもなく在宅での仕事も可能であり、全員がそのような環境を享受しています。
Intelには組み込み製品向けプロセッサを30年以上生産し続けてきた歴史があり、競合企業に対し、一日の長があるという。
--インテルの企業文化とは。
本社は米国にあり、アジア太平洋地域、日本という構図はありますが、いま、自分がどこにいるのか、というような感覚はほとんどありません。内部で援助が必要であれば、ごく自然に依頼できますし、Intel全体で解決していこうとの風土があります。その点でもの怖じせず、堂々と話ができてコミュニケーションがとれるという文化があります。
われわれには、多様な国籍の社員がいます。人種、宗教などが異なっているわけです。それでも、意識の統一ができて、理解し合える思いがあれば、コミュニケーションはうまくいきます。あちこちの国籍の従業員同士英語で話し、相手がどう思っているのか考えながらコミュニケーションを図っていたため、そういう訓練ができたという面もあります。
--5年先のITはどうなっているのか。
Intelは、半導体の微細加工技術を推進し続けています。数年後から5年後の需要を見据えて、巨額の投資をしています。5年先はこうなるだろうとの予想をしながら、消費電力の低減化、セキュリティ機能の強化、ネットワークを支えるハードやソフト、データ分析のためのソフトなども手掛けています。
Intelで働いていて、充実していると感じられるのは、未来を創り出していけることです。われわれのビジョンは、すべての人々がインターネットにつながり、人々の生活が豊かになるようにしていくことです。この目標があるからこそ、働き甲斐があります。
--Intelの目指す道は変わってきているのか。
微細化技術でいうと、第1四半期(1~3月)に14nmプロセスの製品、Broadwellの製造を開始しており、2014年後半には出荷できます。次の開発もすでに進めています。半導体メーカーとしては、この路線は継続します。ただ、1個の製品への特化というより、例えばデータセンターも重要な柱でありXeonのようなプロセッサは欠かせません。
要するに小さなものから大きなものまでをそろえ、より広い分野で活躍していきたいので、セグメントごとに求められる需要に最適化した製品を出していきます。IoTの端末に入っていくQuarkだとか、ウェラブルコンピュータに用いられるかもしれない、超小型コンピュータEdisonなどもあり、人が生活していく中で必要とされてくるようなニーズそれぞれに対し、うまく合致する形で、常に最新のテクノロジで答えるというのが夢ですね。