その読みの通り、クラウド化の進展とともにビッグデータの活用が注目されるようになり、BIおよびビジネスアナリティクス(BA)といった分野は、企業のIT活用において今もっとも活発な取り組みがある。
その中でも、同氏の冒頭の発言にあるように「現場が自由に使いこなせる」ことに力点を置いたMotionBoardは、日本企業の文化や習慣と相まって今後一気に広がっていく可能性を感じさせる。
この分野は外資系ベンダーの有力な製品がひしめく激戦区だが、国産として実績を上げてきた同社のBIツールが今後どれだけ勢力を拡大していくことができるか、注目しておきたい。
「デルが提供するストレージの高コストパフォーマンスを“新しい当たり前”にしていきたい」 (デル 町田栄作 執行役員)
デル 執行役員 町田栄作氏
デルが先ごろ、ストレージに関する事業戦略と新製品を発表した。町田氏の冒頭の発言は、その発表会見で、デルのストレージ事業に対する意気込みを語ったものである。
町田氏はデルの2015年度(2014年2月~2015年1月)のストレージ事業戦略として、「超高速オールフラッシュストレージの推進」「オールフラッシュストレージへの置き換えによる新トレンドの推進」「FCストレージの推進」といった3つのポイントを挙げた。そして、それらに共通している特長は、圧倒的なコストパフォーマンスの高さだと強調した。
また、今回新製品として発表したのは、オールフラッシュソリューション向けストレージアレイ「Dell Storage SC4000シリーズ」。その第1弾となる「Dell Storage SC4020」は、大規模エンタープライズクラスの機能を実現する小規模システム向けストレージアレイという位置付けだ。
事業戦略と新製品に関する詳細な内容については 関連記事を参照いただくとして、ここでは事業戦略の核心となる町田氏の冒頭の発言にある“新しい当たり前”という言葉に注目したい。
同氏によると、“新しい当たり前”は英語で「New Normal」のことだという。この言葉自体は、状況の変化を示す意味としてかねてからよく使われているが、今回同氏はこの言葉を、デルのストレージにおける圧倒的なコストパフォーマンスの高さを強調する意図を込めて使った。
「デルはかつてPCにおいて、ネットを通じて注文を受けて生産し直接販売するビジネスモデルを“新しい当たり前”として世の中に定着させてきた。次はストレージにおける高コストパフォーマンスを“新しい当たり前”にしていきたい」
町田氏のこのコメントに、ストレージ事業に対するデルの力の入れようがうかがえる。実際、新製品のDell Storage SC4020はコストだけでも競合他社の製品と比べて最大76%の削減を実現しているという。
デルはここ数年、ストレージ分野において、ハードウェアの拡充だけでなく管理および運用などのソフトウェアを買収などによって取り込み、利用環境を整備してきた。そうした中での技術力の向上が、高コストパフォーマンスを生み出しているという。果たして“新しい当たり前”にしていくことができるか、注目しておきたい。