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『マネーボール』著者マイケル・ルイスの最新刊をめぐってウォール街が大騒ぎ

三国大洋

2014-04-07 07:30


Rig [動詞]:〈選挙市場などを〉不正に操作する、操る

[The great debate: Combating HFTs image--CNBC]

 

 3月31日にリリースされたMichel Lewisの最新刊『Flash Boys』が米金融関係者などの間で大論争を巻き起こしているようだ。

 高度なITを駆使する「高頻度取引(High Frequency Trading:HFT)」業者、彼らの売買を処理する私設電子取引所(Proprietary Trading System:PTS)、これらのPTSを使って顧客(投資家)の注文をさばく大手金融機関=投資銀行などが一体となって、(当人たちの意図の如何に関係なく、結果的に)大小の投資家から利益をかすめ取っている、現在の株式市場全体がそういう不公平な状態にある、というのがLewisの主張。

 つまり、Lewisが投げ込んだ、この“爆弾”でウォール街全体が文字通り「蜂の巣をつついたそうな騒ぎ」になっている、といった印象も伝わってくる。

 Lewisは『Flash Boys』のプロモーションでいろんなテレビ番組に顔を出している。3月30日の夜に放映されたCBSの「60 minutes」を皮切りに、BloombergやCNBCといった経済ニュースチャネルをはじめ、NBCの「Today」のような情報番組にも登場している。いまウェブを検索すると、この件について喋っているLewisの動画がたくさん見つかる。

[Lewis explains how the stock market is rigged--CBS News]

 

 冒頭のビデオは、そうした動画のひとつで、CNBCで4月1日に流れていたものだそうだ。

 ここに登場するのは、Michel Lewisと『Flash Boys』の中で主人公的なキャラとして描かれているBrad Katsuyamaという日系カナダ人(「IEX」という新興の電子取引所を立ち上げた元トレーダー)、LewisやKatsuyamaらの考えに異義を唱えるPTSのBATS Global Markets社長のWilliam O'Brien、そしてCNBCのキャスターやコメンテーターが3人。20分以上にわたって「朝までテレビ」もそこのけの激論が戦わされていたことがわかるが、途中何度か映像が出てくるように、証券取引所(NYSEか)で働く人々も思わず仕事の手を止めて、この大論争を見守っていたようだ。

***

 HFTについては、ちょうど2年ほど前に1度採り上げたことがあった(「ナノ秒」争う高頻度取引の世界 アルゴリズムとインフラが勝負の分かれ目)。

 あの記事で触れた流れ、一定の“枠組み”の中で市場参加者(特にHFT業者)が他の参加者を出し抜こうと巨額を投じてIT関連の“軍拡競争”を続けた結果、少なくとも“部外者”の投資家には訳の分からない複雑怪奇な状況が生まれてしまった…。そんな流れの基調はほぼ変わっていないようだ。

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