モノのインターネットの衝撃

モノのインターネットとガバナンス--ルールづくりのために

河野省二(ディアイティ)

2014-04-30 07:30

インターネットにつながっていないので「安全」

 Windows XPの利用継続について「インターネットに接続されていないので、情報漏えいの心配はない」と報告をしている企業や団体があります。しかし、その端末のOSがアップデートされていない場合や、アンチウイルスソフトの定義ファイルが最新のものでない際は、その端末がウイルスの温床となり、多くのマシンを感染させるためのハブとなってしまうことがあります。

 人間が鳥インフルエンザにかからないとしても、そのウイルスを運んで、遠方の鳥に感染させてしまう可能性と同じことが考えられるのです。

 インターネットに接続していないから安全であり、情報漏えいの可能性がないというのは、その端末単体のものです。他の端末と情報を交換することを考えれば、それは十分な対策とは言えません。

 今回は事故の被害を最小限にするために、どのような管理ができるかについて解説し、モノのインターネットのセキュリティについて検討してみたいと思います。

情報セキュリティ事故の被害を最小限にするための考え方

 情報セキュリティでは事故のことを「インシデント」と呼んでいます。ところで、このインシデントとはどのようなものか分かっている人は意外と少ないと思います。また、インシデントの他にイベントと呼ばれているものもあり、日本語では事象と呼ばれていますが、これらの境目を判断するのは難しいので、ここでは簡単に被害を伴うものを事故と呼び、直接の被害を伴わないものをイベントと使い分けて説明します。

 被害を最小限に抑えるためにできる情報セキュリティ対策について、モノのインターネットのセキュリティとともに考えましょう。

 例えば、ホームページの改ざんではインシデントとイベントはどのように考えられるでしょうか。

 「ホームページの改ざんが相次ぐ」というニュースを見ると、ほとんどのホームページが同時に改ざんされているかのように誤解されがちですが、改ざんを発見した時期が重なっているに過ぎません。

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