モノのインターネットの衝撃

モノのインターネットとガバナンス--ルールづくりのために - (page 4)

河野省二(ディアイティ)

2014-04-30 07:30

BYODも同じように考える

 BYODで検討されているスマートフォンやタブレットなども、実はモノのインターネットの一部と考えることができます。

 リモートネットワーク時代と違うのは、企業のITサービスを使う際に、企業内ネットワークにあるリモートアクセスサーバにログインせずに、インターネットに接続するだけでさまざまなサービスを利用できる点です。

 管理できていない接続において、情報漏えいや情報窃盗が起きるのではないかという懸念があります。

 つまり、BYODにおいて重要なのは、これらの自由なITサービスが管理できることですが、すべての接続を管理するには、プライバシーとの兼ね合いが難しいのです。そこで、BYODについても「すべてを管理する」というポリシーの中で、企業に関係するすべての端末をどのように設定し、従業員との合意を得られるかがポイントです。

 従業員と企業にとってそれぞれが端末を管理することによるメリットを明確にし、トレードオフができるといいでしょう。

 BYODについては端末の管理だけではなく、取り扱う情報の管理についても検討しなくてはなりませんが、電子メールでのファイルのやりとりができる企業ではこれを統制するのは難しいのが現状です。

 次回は、情報のライフサイクルについて検討し、電子メールによるファイル交換の問題点やその解決方法について解説します。

河野省二
株式会社ディアイティ セキュリティサービス事業部 副事業部長
経済産業省 SaaS 利用者の観点からのセキュリティ要件検討会委員、情報セキュリティガバナンス委員会 ベンチマークWG委員など、 情報セキュリティ関連のさまざまな基準を策定した経験を持つ。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  2. セキュリティ

    サイバー攻撃の“大規模感染”、調査でみえた2024年の脅威動向と課題解決策

  3. セキュリティ

    従業員のセキュリティ教育の成功に役立つ「従業員教育ToDoリスト」10ステップ

  4. セキュリティ

    IoTデバイスや重要インフラを標的としたサイバー攻撃が増加、2023年下半期グローバル脅威レポート

  5. セキュリティ

    急増する工場システムへのサイバー攻撃、現場の課題を解消し実効性あるOTセキュリティを実現するには

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]