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事業再生という仕事

事業再生の心構え--「良薬は口に苦し」

浜村伸二(経営共創基盤)

2014-04-14 09:16

 事業再生の専門家に話を聞く特集「事業再生という仕事」。初回「君もまだまだ青いね」に切り返す一言--事業再生という仕事」では、事業再生に関する全体的な観点から話をしましたが、第2回目となる今回は、事業再生計画を作る際のポイントや心構えなどに焦点を当てます。

心構え1 良薬は口に苦し 

 経営不振に陥った企業の経営者から、「今回は聖域なき改革に取り組む」と強い意気込みの発言をよく耳にします。これらは大きなバルーンとして上がっただけで、尻つぼみに終わることが少なくありません。


 これはわれわれが構造改革を手伝う際によく感じることですが、会社側には大きく分けて2つのタイプの方がいます。簡単に言えば、「与党側」と「野党側」です。野党側も悪気はないのですが(だからこそ苦労する面もありますが)、改革のリスクを大小さまざまなレベルで指摘してきます。

 実際、われわれが過去、お手伝いした企業でも与党と野党がせめぎ合いを続け、計画の骨子がぶれ続けたことがありました。ただ「良薬は口に苦し」というように、効果がある打ち手、施策には痛みやリスクが伴います。その点を恐れていたら何も前に進みません。

再生現場でのシーン--その1

 ある日の朝、高田部長の電話が鳴り、坂田オーナー兼社長に呼び出される。

・ 坂田オーナー兼社長

 「高田君、忙しいところ悪いね。実は君も知っての通りわが社の業績は右肩下がりで、将来の見通しも明るくない。ついては極秘に抜本的な再生プランを考えたい。高田君を中心に極秘チームを作って検討してくれないか。しがらみなく、聖域なき改革を進めてほしい」

 再生プラン検討会初日。

・ 高田経営企画部部長

 「オーナーからも、改革の号令がかかった。これを良い機会に今までのわが社の負の遺産を全部吐き出そうではないか。まず、不稼働資産や不良在庫は一掃しよう」

・ 山本経理部係長(野党系)

 「部長、私も同感です。ただ現実にそれを実行すると、損益計算書に損失が計上され、自己資本が大きく毀損(きそん)します。そうなりますと銀行さんとの関係の悪化が心配になってきます……オーナー頭下げてくれますか?」

・ 菊田営業部主任(野党系)

 「営業部からも1つ言わせてください。自己資本の毀損は取引先からの信用低下を招きます。競合とバチバチ戦っているこの時期に弱みを見せるわけにはいきません。」


 この時、高田部長はどうすれば良かったのでしょうか?

 以前、筆者が参加した会議で、改革の中心の某幹部がそのような批判をヒラリヒラリと聞き流し「ダメだったら、私が責任取りますよ」の一言で場の空気を一変させた場面を目にしました。その会社は、その会議をターニングポイントに思い切った改革を進め、今は隆々とした会社に復活しております。(参考資料1参照)

 リスク対する考慮は必要ですが、病状が悪化した企業を立て直すには、きっちり薬を処方し、踏み込み時は徹底的に踏み込む覚悟、これが事業再生計画を作る際の心構えとしてまず必要な事だと感じています。

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