それらの製品は、GoogleとAppleの間の最も大きな戦いの場である、モバイル顧客をめぐる争いに刺激をもたらす可能性が高い。モバイルOSユーザーをめぐる戦いは、AppleとGoogleの競争の顔だが、その背後にある数字はかなり誤解されている。
市場シェアに関する誤解

「現在のスマートフォン市場は、基本的に一騎打ちの状態だ」
これが、モバイル市場における「Android」と「iOS」の争いに対する、Van Baker氏の見方だ。iOSとAndroidのシェアの差は、AppleとGoogleの力の差を表していると考える人が多いが、これは誤った比較であり、それぞれのOSは、そのOSを擁する会社の収益の柱ではない。しかし、モバイルOS市場のシェアは、両社の力を理解するのに、多少は役に立つ。
販売台数の市場シェアによって成功を計ろうとするとき、最初にぶつかる問題は、iOSソフトウェアとそれに付随するハードウェアを作ったAppleと、サムスンのようなサードパーティメーカーを通じて流通するAndroidプラットフォームを作ったGoogleを比較できるかだ。Baker氏は、販売台数で見る市場シェアの比較により適しているのは、Appleとサムスンの比較かも知れないと述べている。Baker氏によれば、「ある意味で、サムスンの戦いは、Googleの代理戦争だ」という。それでも、Googleには、単なるiOS対Androidという図式よりも大きな問題がある。
「デバイスに搭載されているOSは、今何が起きているかを知る上では、あまり意味のある指標ではない」とGillett氏は言う。
AndroidデバイスとiOSデバイスの、販売台数市場シェアの生の数字だけを見れば、Googleがこの市場を支配しているように見える。Gartnerのレポートでは、2013年の第4四半期には、世界市場シェアの77.8%をAndroidが占め、iOSはわずかに17.8%だった。その前期は、Androidのシェアが81.9%であり、iOSは12.1%で2位だった。ただしComScoreによれば、実入りのいい米国の市場では、iOSの市場シェアは40%であるのに対して、Androidは約50%にしかならないということには注意すべきだろう。これらの数字の問題は、GoogleがAndroidプラットフォームに許しているフラグメンテーションの問題が考慮に入れられていないことだ。
Gillett氏は、Androidの市場シェアの数字を見るときには、これに2種類の企業が含まれていることに注意する必要があると述べている。つまり、オープンソースのコードを使い、Androidと名付けられてはいるが、Googleの秘伝のソースにはアクセスできないデバイスを作った企業と、「Google Play」を使ってGoogleのエコシステムに完全に統合されたデバイスを作った企業だ。