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日本株展望

日銀の追加緩和が期待できない理由

ZDNet Japan Staff

2014-04-16 12:13

 14日の東京債券市場で、新発10年もの国債の売買が業者間市場で成立しなかった。新発10年もの国債の売買が成立しなかったのは2000年12月26日以来、13年ぶりだ。

 長期国債は、量的緩和を実施中の日本銀行が積極的に買うので、値を保っている。しかし、インフレ率(コアCPI)が2月時点で前年比+1.3%まで上がった中で、利回りが0.6%しかない長期国債の投資魅力が低いことは自明だ。積極的な買い手がなく、それでも日銀が買うので積極的な売り手もない状況だ。楽天証券のチーフストラテジスト窪田真之氏の分析によると、13年ぶりの長期国債が売買なしになったのは、そのような背景があってのことだ。

今のままでは長期国債を買い増ししにくい

 日本は実質金利がマイナスだ。この状態で、日銀が長期国債の買い付け額をどんどん増やすのは困難だ。

実質金利とは

 詳しい説明をする前に、まず実質金利の意味を説明しよう。実質金利とは、金利からインフレ率を差し引いたものだ。たとえば、長期金利が1%の時、インフレ率が1%ならば、実質金利は0%だ。1年間、お金を預けて1%の金利を受け取っても、物価が1%上昇すれば、買えるものは変わらないからだ。100円預けて1年後に101円に増えても、100円のものが101円に値上がりしていれば、買えるものは同じで、お金の価値は増えていない。この状態を、名目金利は1%でも実質金利は0%という。

 では、長期金利が0.6%の時に、インフレ率が1.3%だったらどうだろう?100円投資すると1年後に100.6円(税引前)に増えるが、100円で買えたものは101.3円に値上がりしている。金利を受け取っても、同じものが買えなくなる計算だ。この状態を、「実質金利マイナス」という。

 <実質金利>=<名目金利0.6%>-<インフレ率1.3%>=▲0.7%

 これが、今の日本の状態だ。なお、ここでは名目金利を長期金利、インフレ率を(生鮮食品を除く)コア消費者物価の前年比上昇率として計算している。

日本の実質金利推移


日本の長期金利(新発10年国債利回り)と、コアCPI上昇率

日本の実質金利(長期金利-コアCPI上昇率)

日銀の追加緩和があるとすれば、ETF購入額の追加と予想

 日銀はインフレ率を2%にするという目標を持っている。もし本当にインフレ率が2%になるならば、利回り0.6%の長期国債の実質利回りは▲1.4%になってしまう。それでは誰も買う人がいなくなるので、長期国債の利回りは上昇せざるを得ない。長期国債が売られて値下がりし、利回りは1%以上に上昇することになるだろう。すると、0.6%で長期国債をたくさん買った日銀は、長期国債で含み損を抱えることになる。

 日銀が今のままでは追加緩和に動きにくいというのは至極当たり前の話だと思われる。

 窪田氏は、日銀の追加緩和があるとすれば、日本株ETF(上場投資信託)の購入額の追加になると予想しているとのことだ。長期国債は利回りが低くて魅力がないものの日本株はPER(株価収益率)で見て割安になっているからだという。

日本株は割安

 日経平均でPER14倍、東証株価指数でPER13倍まで低下している。日本株は割安で、現在の水準では買い増しの好機と判断できる。

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