100Gポートを4基搭載--A10がアプリケーションデリバリコントローラ新製品

重森 大 2014年04月21日 07時30分

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 「ロードバランサ」(負荷分散装置)と呼んでいた領域が、現在はアプリケーションデリバリコントローラ(ADC)と呼ばれるようになってきている。そのADC市場でここ数年覇気を見せているのがA10 Networksだ。日本法人のA10ネットワークスは4月17日、ADCのThunderシリーズの新製品を発表した。上位モデル「Thunder 6630」は、「ADCとして初めて」という100Gbポートを搭載製品だ。

日本法人代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)で、アジア パシフィックジャパン担当バイスプレジデントも務める小枝逸人氏
日本法人代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)で、アジア パシフィックジャパン担当バイスプレジデントも務める小枝逸人氏

 3月にはニューヨーク株式市場に上場した。日本法人を設立してまだ4年だが、ヤフーや楽天といったインターネット企業や携帯電話大手3社など多くの企業が採用している。Frost & Sullivanの調べによると、2012年に次いで2013年もADCの日本市場でシェア1位を獲得した。

 日本法人代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)で、アジア太平洋と日本を担当するバイスプレジデントでもある小枝逸人氏は「顧客志向で長期的な成長を果たす」と話した。そのために、顧客やパートナーとの協力関係を重視していると説明した。

 発表したThunder 6630は、100Gbポートを4ポートを搭載。1Gb/10Gbポートを12ポート備えており、処理可能なアプリケーションスループットは150Gbpsに上る。トラフィック処理に使うASIC(集積回路)も、FTA-2から新世代のFTA-3に変わり、L4 CPS(Connection per Second)、SSL CPSともに30%向上しているとのこと。

 単純なスイッチやL4ロードバランサとは違い、ASICだけでは実現できない高度な処理がADCの見どころの1つで、Thunder 6630もそれに対応している。膨大な量のトラフィックを対象に高度な処理を施せるよう12コアCPUを2基搭載。10コアCPUを採用していた従来の上位モデルより処理能力が高まっている。

 ただし、コアスイッチやルータに採用が広がりつつあるこの状況で、他社ADC製品に先駆けて100Gbポートを搭載するということに意義を感じられるユーザーは現段階では多くないように筆者には思える。現状では例えば、10Gbケーブルを何本も使ってルータとADCを結んでいるような場合に、新製品を使って100Gbケーブル1本にまとめれば、コストが下がりメンテナンス性が高まるという説明が発表会ではなされていた。

 一方で、100Gbポートを装備し、広帯域のケーブルでスイッチやサーバ群と接続できることによるメリットは、おそらくこれから数年の間に急速に大きくなっていくだろうと筆者は見ている。サーバの仮想化に次いで、ネットワークの仮想化技術が実用化、普及の段階を迎えるからだ。ネットワークを仮想化し、ソフトウェア上の操作だけで柔軟にリソースを組み替えて使うためには、器となるネットワークのハードウェア面での制約は少ない方がいい。

 実際の製品は3Uの迫力あるボディを持ち、正面には100Gbポートが2基ずつ、左右に分かれるデザインで配置されている。正面にはメンテナンス用のUSBポートも備わっているが、100Gbポートの迫力あるサイズに比べるとUSB端子が実にかわいらしく見える。

Thunder 6630
Thunder 6630

従来モデルも刷新

 Thunder 6630と同時に、従来モデルを刷新した新ラインナップも発表した。ミッドレンジの新モデルは、アプリケーションスループット38GpsのThunder 4430、同79GbpsのThunder 5430-11の2機種。

 いずれも新世代のFTA-3の採用やCPUコア数の増強などで従来モデルに比べてパフォーマンスを向上させながら、消費電力を低減させている。上位モデルではSSL性能を強化したThunder 5630を発表。こちらはパフォーマンスの向上に加えて、電源の冗長化が2+1から2+2へと見直されている。

ACOSの共有メモリ空間が有効

 発表会では、すべてのADC製品に搭載される同社の基本ソフトウェアであるACOS(Advanced Core Operating System)の優位性についても紹介された。中でも強調されたのは、共有メモリ空間の存在だ。一般的なマルチコアCPU対応OSでは、それぞれのコアに対して物理的なメモリ空間を割り当てて並列に処理する。

 それに対して、ACOSでは1つのメモリ空間を複数のCPUコアで共有するため、メモリ間でのデータコピーや内部処理に伴うオーバーヘッドが生じない。マルチコアCPUのパフォーマンスを最大限に引き出せる仕組みになっているという訳だ。


 今回の新製品登場によりA10ネットワークスのADC製品ラインアップは、アプリケーションスループット5Gbps、L4 CPSが20万のThunder 930からアプリケーションスループット150Gbps、L4 CPS 710万のThunder 6630までに広がった。

 新モデルの受注開始は5月12日。価格は1055万9000円から。出荷開始時期はThunder 4430/5430が5月19日、Thunder 5630/6630は2014年第2四半期(4~6月)中を予定している。

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