三国大洋のスクラップブック

IPO秒読みに入った中国アリババの横顔

三国大洋 2014年04月21日 07時30分

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 今夏にも株式公開するとみられる中国eコマースの巨人Alibabaを今回は取り上げる。

 Alibabaが株式公開の申請書類をまもなくSEC(米証券取引委員会)に提出しそうだとか、米Yahoo!(Alibaba株式の24%を保有)の決算でAlibabaの好業績が明らかにされたとか、またそれを受けてソフトバンク(Alibaba株式の37%を保有)の株価も上昇、などといったニュースがこのところ立て続けに出ているが、「Alibabaってそもそもどんな会社?」という話がちょうど米ZDNetに出ていたので、これを中心にAlibabaについて目に留まった点や数字などをメモしてみる。

[How Big Is Alibaba? The $153B Question--Bloomberg TV]

 

Facebook以来の大型IPO

 まず、IPOで調達が見込まれる金額が推定150億ドルと、一昨年春のFacebook(約160億ドル)に次ぐ規模になる。時価総額は(売り出される株式の割合にもよるが、仮に全体の1割とすれば)約1500億ドルで、上記のZDNet記事でもWSJ記事に言及しながら「1500億ドル以上に達する可能性あり」としている。

 この規模の企業というのは無論、そんなにたくさんあるわけではなく、4月18日時点でFacebook(1501億ドル)、Amazon(1492億ドル)などと同じくらい。IBM(1978億ドル)、Oracle(1787億ドル)には届かないけれど、Qualcomm(1375億ドル)やIntel(1343億ドル)よりは大きい、ということになる。ただし比較対象としては、テクノロジ系というよりも、たとえばWal-Mart(2507億ドル)あたりと比べた方が適当かもしれない。

***

「Taobao」「TMall」「Alipay」の3本柱

 Alibabaの運営するショッピングモールはふたつ。一般向けの「Taobao(淘宝網)」(出店者=「店子」の数は約700万、取り扱いアイテム数は約7億6000万)、有名ブランド向けの「TMall(天猫)」(出店社数約7万)で、登録利用者数は合計約5億人、また2013年の年間取扱高は推定2400億ドル規模に達したという話もある。

 自社では在庫を持たず、広告料や手数料などで稼ぐビジネスモデルであることから、Alibabaの“売り上げ”自体は年間79億5000万ドル(2013年)と比較的少ない――一部在庫を持つAmazonの2013年売上高は合計744億5000万ドル――が、営業利益率が73%とかなり高く、2013年の純利益は35億2000万ドル。

 今後も成長を見込める中国のeコマース市場ですでに約8割のシェアを押さえているという点が、この利益率(を生むビジネスモデル)と並んで高い評価額につながっているように思われる。

 市場占有率の点では、Alibabaが運営する電子決済サービス「Alipay(支付宝)」の約7割というのも目を惹く。すでにPayPalなどを抜いて世界一のオンライン決済事業者だそうだ(WSJ記事、ただし具体的な数字は出ていない)。

 さらに、米国時間4月17日にNASDAQで株式公開したWeibo(いわゆる“中国版Twitter”)の株式18%を1年前に取得(5億8600万ドルを出資)していたことなどもよく目にする。

 株式公開の申請もこれからであるため、調達した資金の使途についてもまだ不明だが、WSJでは「比較的手薄な中国国内での物流網整備」などの可能性に言及している。

 ZDNetでは、Alibabaが1月に「1stdibs」という高額品(家具、宝飾品、アート、ファッション)を扱うeコマースサイトに出資したこと(出資額は1500万ドル)、米国市場で「11Main」というオンラインモール立ち上げの準備をしていることに触れている。

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