アドテクノロジを手掛けるソネット・メディア・ネットワークスは4月23日、広告媒体者(メディア)の広告収益を上げるための広告枠の供給プラットフォーム(Supply Side Platoform:SSP)を世界6カ国で展開する米PubMaticと協業し、5月14日から日本でもSSP「PubMatic」の事業を展開すると発表した。
現在の広告市場では、広告主側が複数メディアの掲載枠を集めるアドネットワークなどを通じてさまざまなウェブ広告枠を把握し、買い付けるプラットフォーム(Demand Side Platform:DSP)の普及により、メディアが持つウェブ広告枠をリアルタイムにオークション形式で売買する“Real Time Bidding(RTB)”が急増している。
RTBは、1インプレッションごとに、複数の広告主がリアルタイムにオークション取引をし、最も高い単価を提示した広告主がその枠を獲得する仕組みだ。
PubMaticを交えたサービス展開イメージ
DSPは広告主の買い付け--SSPはメディア側の仕組み
一方で、広告主から依頼された広告コンテンツを掲載するメディアにしてみると、直接広告主と契約すれば、より高単価で販売できたかもしれないウェブ広告枠が、DSPの仕組みによって低い単価で売られてしまうという問題に直面している。そのほか、PC、タブレット、スマートフォンといった端末の種類ごとの広告枠の出しわけといった管理の問題もあるという。
今回発表したPubMatic事業は、メディア側の収益を高める基盤となるSSPだ。PubMaticには、メディア自身が付加価値の高い広告枠と考える枠を、広告主とメディアが1対1で取引する「プライベートマーケットプレイス」機能を実装した。通常のRTBとは異なる環境を用意して取引相手を指定するため、広告枠の価値を維持できるという。
今回の協業により、ソネット・メディア・ネットワークスは自社で展開するDSP事業「Logicad」とSSP事業であるPubMaticの仕組みを連携させ、2者間でRTBを成立する仕組みをつくる。このシステムを使う際の契約も、顧客、ソネット・メディア・ネットワークス、PubMaticの3社が合意する契約書を作成する。
広告在庫の買い付け、クリエイティブの分析、配信、入札単価の調整など、従来は人力でこなしていた広告主側の業務と、より高い単価で広告枠を販売するために必要だったメディア側の業務を自動化できるのがメリットだ。