「若年層は、保険会社がうまくリーチできていないポテンシャルの高い市場だ。国内では若年時に加入した保険会社を継続して利用するという傾向があり、積極的に開拓することがのぞましい」(大窪氏)
これを受けて林氏は、事業者が取るべきアクションとして以下の3つを挙げた。
- 顧客との接点をクロスチャネルで設計し収益増加を図る
- 顧客データを積極的に収集し、個別化した商品を開発する
- 若年層へのアプローチを積極的かつ戦略的に行う
アクセンチュアでは、この3つのアクションを支援する事業も展開している。たとえば、1つめのクロスチャネルの構築では、オランダAegonが導入しているモバイルデバイスを活用した保険サービス「Kroodle」がある。ソーシャルメディア上でのマーケティングから、ディスカウントやポイントプログラムといったサービスまでを一貫して提供することで、収益を拡大している。
国内では、2つめと3つめのアクションに相当するものとして、東京海上日動の「ちょいのり保険」の事例がある。これは、単発のドライバー向けの保険で、加入期間中の無事故記録が通算され、通常の自動車保険に加入する際に保険料が割引になるというサービスだ。加入履歴サービスや潜在顧客を囲い込みなど、消費者のライフサイクルを踏まえた、戦略的なサービスとなっている。
消費者のデジタル化を踏まえたフロントサイドでのIT施策が必要と説く