日本IBMは4月23日、同社の次世代クラウドプラットフォーム「BlueMix」の説明会を開催。コンセプトや機能、特徴をデモを交えながら紹介した。
BlueMixは、オープンソースのPaaS構築基盤「Cloud Foundry」をベースとしたPaaSサービス。IBMのパブリックIaaS「SloftLayar」上に構築され、現在、パブリックベータ版として開発が進められている。
最大の特徴は、開発者が開発に注力できることを目的に、さまざなGUIや周辺機能を拡充させていることだ。たとえば、マウスを使ってテンプレートからアプリケーションを構築できる仕組みや、IDE「Eclipse」からのデプロイ、クラウド開発基盤「JazzHub」からのデプロイ、データべースやミドルウェアの導入、構成、実行環境のセットアップの自動化などといったことができる。システム部門だけでなく、業務部門の開発者でも扱えるようにしている。
開発言語や対応ミドルウェアについては、Cloud Foundryコミュニティが開発するRubyやNode.js、Java、MySQL、PostgreSQL、MongoDB、Redis、RabbitMQといった既存のオープンソース群に加え、IBMが開発するJava(Liberty for Java)や、DevOpsツール(JazzHub DevOps)、データマネジメントツール(Rational Database、BLU data Warehouse、MapReduceなど)、モバイルサービス(Mobile App Managementなど)が利用できる。さらに、パートナーが開発したツールをIBM Certifiedとして提供する。現時点では、モバイルサービスのTwilio、Geocodingなどが提供されている。
専務執行役員ソフトウェア事業本部長のヴィヴェック・マハジャン氏によると、BlueMixは、「今ユーザーに求められている、モバイルとソーシャルの活用、個客にリーチするアナリティクス、リアルタイムの即答性という3つのニーズに応えるもの」だという。また、同社が提唱している、フロント側のシステム「System of Engagement」とバック側ののシステム「System of Record」との組み合わせをスムーズに行うための基盤にもなるという。
「アプリケーション開発者のニーズに応え、開発に専念できる環境を提供する。モバイル向け開発環境と、それを支えるDevOpsサービスでアプリケーションの早期開発を支援できる。System of Recordとの統合サービスも提供できる」(マハジャン氏)
ソフトウェア事業部クラウド・SaaSビジネス開発担当の高瀬正子氏は、BlueMix導入のメリットについて、「オープンスタンダードをベースとした開発ができること、開発の実行環境をPaaSとして利用できることが挙げられる。非常に速いスピードでテクノロジーが変化しているが、アジャイル型で開発する際のミドルウェアの導入やセットアップといった作業から開発者を解放することができる」と強調した。