「1つはデータセンターの地域的な補完をするというのがあります。そして次に、クラウドをはじめ、優れた技術を持っている企業があればやはり補完的に買っていきたいと考えています。ただ、M&Aというのも条件もありますし、お互いにグループに入ったほうがメリットがあるというのがないとうまくいかないのも事実です。データセンターもそうですが、結局今までは各国でそれなりの優れた技術を持った企業であってもグローバルのカバレッジがなく、顧客もローカルでしかなかった。それを弊社のグローバル傘下に入ることで、例えばアメリカの会社でインドの会社のデータセンターが欲しいといっているところにビジネスを結び付けたり、そういうふうにお互いに意味があると感じるところでなければなりません」
2000億円を目指す
IBMによるSoftLayerの買収をはじめ、Microsoft、オラクルなど競争が一層激しくなるクラウド業界。NTT Comとして、最も差別化を図ることができるのは、サービスの連携性だという。「クラウドというのは基本的にはネットワークにつながっているサービスなので、ネットワークとクラウド、データセンターを連携したサービスをいかに提供できるかが私どもの強みのポイントです。実際、競合する会社も一部は私どものデータセンターを使っていただいたりしていますし、サービスの連携性をトータルにベストミックスとして提供できればいいと考えています」と有馬氏。
また、そんな中でも「実用サービスでSDNを現状提供できているのはおそらく弊社だけ」と、同社の強みとして引き続き注力していく考えであることを明かした。
海外展開における今後の課題としては、“垂直ソリューション”を掲げる。「ネットワークとかデータセンターとかクラウドというのは、結構不透明な領域です。われわれはこれまで、産業、業界別というよりは、むしろ水平にグローバルな展開をしてきたのですが、海外のアナリストからは垂直ソリューションがないのがひとつの弱みであるという指摘があります。それゆえ、今後は、業界別のソリューションの実績を作っていく必要があると認識しています」と語った。