ウェアラブルデバイスと体内埋め込み型デバイス
エンタープライズ向けスマートウォッチや、日立の「ビジネス顕微鏡」、Google Glassは、未来の職場環境の前触れに過ぎない。ジェスチャーベースのコンピュータ、そしてブレイン・マシン・インターフェースまでもが全て研究開発の各段階にある。これらによって、職場のテクノロジとのやり取りやコントロールを大幅に高速化できるだけでなく、企業データやIoTデバイス、そして結果として得られるクオンティファイドエンタープライズをより高帯域幅で肉体的に認識できるようになる。Googleなどの企業は既に、例えばコンタクトレンズなどにデータを重ねて表示する実験を行っている。
しかし、おそらくポスト・スノーデン時代において最も重要な要素は、プライバシーへのアクセスになるだろう。日常的なモバイルデバイスをはじめとして、特にわれわれの体に直接接続しているデバイスについては、プライバシーの要求に対して極めて慎重になることが、多くのユーザーにとって不可欠だ。
3Dスキャナと3Dプリンタ
長期的に見れば、3Dスキャナや3Dプリンタによって、ほとんどの物体を消費現場においてジャストインタイム方式で製造できるようになるだろう。より多くの材料から作られる一層複雑なデバイスを、短期間のうちに実現できる。2014年に注目すべきエンタープライズテクノロジについての記事で書いたように、3Dプリントはまだ初期段階にあるが、それが目指しているのはまさに、「スタートレック」に出てくるレプリケータのような、ほとんどのものを、そして生体さえも、要求に応じて作り出せる装置というビジョンである。より多くの企業にとって、3Dプリンタの登場は、「複製可能な」製品デザインをうまく保有し、サプライチェーンのような産業化時代の概念を過去のものにすることを意味する。
手軽なモバイルベースのコラボレーション
従業員エンゲージメント向上のための新しいアプリケーションが消費者の世界で登場し、エンタープライズ業界へとまっすぐ向かいつつある。こうしたアプリケーションは自由な使い方ができる場合が多く、プライバシーやデータ管理に一層特化したものとなっている。筆者は以前から、この目的にソーシャルコラボレーションを用いることに前向きだった(そしてそれは大手企業では今でも好まれている)。しかし常設チャットのようなほかの競合テクノロジが強力なライバルとして登場し、チーム同士が協力して、集団的な知性を蓄積し、共通の文化を築くことを容易にしつつある。こうしたアプリケーションは、モバイルデバイスにおいてネイティブベースでのコラボレーションを実現することを目的とし、複数の通信モード、特に高解像度マルチポイントビデオをサポートするだろう。中小企業向けに「Snapchat」と「ooVoo」を組み合わせたものを考えてみるといいかもしれない。
こうしたことから、今後2年から4年で、職場でどのような新しいものを目にすることになるのか、そのイメージがよく分かる。3Dプリンタは時間的に一番離れていると思われるものの、こうしたテクノロジの大部分は、長くても今後36カ月のうちに、大小さまざまな企業にとって重要になってくるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。