今回は、具体的なソリューションとしてLyncを取り上げてコミュニケーションとワークスタイルという両輪の変革を紹介したが、個々の社員のリアルタイムでの状況把握とそれに合わせたコミュニケーション方法の選択が、数分から数十分といういわゆる「すきま時間」を効率的に利用しあうことを可能にし、その積み重ねが、ビジネススピードの向上に大いに影響していることが明らかになった。
会議中でも、移動中でも、少なくともチャットに参加して他のメンバーのコメントを見ているだけでも情報共有は可能だ。また、在宅ワークをしていてもネット環境さえあれば、空いた時間にビジネスの状況を生でとらえることができる。別の見方をすれば、「すきま時間」を上手に活用できるかできないかで、個々のビジネスの成果は大きく違ってくる状況になったといえるかもしれない。
また、企業単位で考えれば、クラウドを活用したコミュニケーション変革の波に乗りきれなければ、他社が実現しているワークスタイル変革に気付くことができず、競争から取り残される事態に発展する可能性がある。こうした変化は少しずつ差が開いていくもののはずだ。つまりその差に気付いた時は手遅れ、ということもあり得る。
ビジネスワーカーにとっても、企業にとっても、ワークスタイルとコミュニケーションの変革のトレンドは今後注視すべきものだといえるだろう。