富士通、SDN管理の広域ネットワーク向け仮想化製品を発表

山田竜司 (編集部) 2014年05月12日 17時01分

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 富士通は5月9日、SDNにより、ICT基盤全体をネットワークに最適化するアーキテクチャ「FUJITSU Intelligent Networking and Computing Architecture」に基づく製品として、広域仮想ネットワーク運用制御、管理ソフト「FUJITSU Network Virtuora NC」(Virtuora NC)、集中管理型のネットワーク仮想化ノード「FUJITSU Network Virtuora SN-V(Virtuora SN-V)」を発表した。

 さらにネットワーク品質管理ソフト「FUJITSU Network ProactnesII QM(ProactnesII QM)を機能強化する。FVirtuora NCは6月より税別価格1300万円から、Virtuora SN-Vは9月より同100万円から、ProactnesII QMは6月より同377万円から提供予定とした。販売目標は2016年度末までに累計で売り上げ120億円としている。

 広域ネットワークの構造は、広帯域な光伝送や無線アクセスの階層、エンドツーエンドをつなぐパケット通信階層など多種の階層を組み合わせた作りになっているという。今回販売を開始する製品は、こうした多種の階層のうち、パケット通信階層に対応したネットワーク仮想化製品であり、順次領域を拡大する予定だ。

 Virtuora NCは、ネットワークの構成情報を集中管理し、サービスごとに最適な通信環境となる仮想ネットワークの構築(最適な経路設計、経路情報の通信機器への設定)を集中管理できるソフトウェア。Virtuora NCにより、広域ネットワーク事業者は、複雑な仮想ネットワークの運用を高品質かつ効率的に可能としている。

 Virtuora NCは、富士通独自の経路設計エンジンにより、中継ノードの段数や確保可能な帯域幅など、多面的な情報に基づく最適な経路を瞬時に決定し、広域ネットワークにおけるファイアウォールやロードバランサなどの機能を選択し自動でつなぐサービスチェーニング機能を提供、サービスごとの通信経路情報を分かりやすい画面で可視化することにより、高い専門知識が必要な仮想ネットワークの運用を簡素化し事業運営費(OPEX)削減を支援する。

 また、広域ネットワークにおける、集中管理型のネットワーク仮想化ノード「Virtuora SN-V」などと自律分散型のIP通信機器(ルータなど)の双方に対し、仮想ネットワークの運用制御、管理するとした。

 Virtuora SN-Vは、Virtuora NCが設定した情報に基づき、仮想ネットワーク制御とユーザーデータ転送を処理するソフト。汎用のIA(Intel Architecture)サーバで動作するため、広域ネットワーク事業者はネットワーク構築に従来必要だった専用通信機器の利用を減らし、資本的支出額」(CAPEX)を削減することができるとしている。

 Virtuora SN-Vは、ソフトウェア処理において富士通独自の実行制御技術を採用し、高速データ通信処理が可能という。また、Virtuora NCによる制御に加え、自律的な経路障害監視や障害検出時の即時切替え機能を備えているほか、Virtuora SN-Vの制御インターフェースとして、標準プロトコルOpenFlow1.3をサポートしている。

 また、ProactneII QMを強化し、品質劣化情報をVirtuora NCへ即時通知するインターフェースとネットワーク仮想化方式であるNVGREプロトコル、Q-in-Qプロトコルに対応し、高速データキャプチャの機能強化によりVirtuora NCと連携した。これにより、従来のネットワークと同様に、広域仮想ネットワークにおけるエンドユーザーの体感品質の向上を実現するとしている。

 これらの製品により、集中管理型の仮想ネットワークを構築し、従来のネットワーク環境では困難であった、さまざまなサービスに対応した最適な通信環境の構築を容易にす るという。

 さらに、サービスごとの通信経路の可視化や、既存のIP通信機器に対する制御や管理機能を提供する。また、ProactnesII QMでは、仮想ネットワーク対応機能を強化したため、サービスを利用するエンドユーザーの体感品質(Quality of Experience:QoE)を向上できるとアピールした。

 近年、クラウドの普及とスマートデバイス利用の急激な拡大から、広域ネットワークを活用するサービスが多様化し、ネットワークを流れる通信データの特性も多様かつ複雑なものとなっている。こうした状況から広域ネットワーク事業者では、サービスごとに異なる要件に対し、最適な通信環境の提供を求められ、従来の固定のネットワーク設計では運用ができない課題があると説明している。


広域ネットワークの構造と新製品の位置づけ

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