今回発表されたサービスで、同じくクラウドとオンプレミスの橋渡しの支援を目的としているのが「Microsoft Antimalware for Azure」だ。要するにこれは「アンチマルウェア・アズ・ア・サービス」だとRussinovich氏は述べた。
Microsoftは消費者向けの無料製品「Microsoft Security Essentials」のエンジンを、「VM Agent」拡張サポートによってAzure仮想マシン上で利用できるようにした。このアンチマルウェア機能をオンプレミスとクラウドの両方に対応させたことで、ユーザーは一貫した方法で監視と構成を行うことができる。Azureでほかのアンチマルウェアソリューション(トレンドマイクロの「Deep Security」や「SecureCloud」、Symantecの「Endpoint Protection」など)を利用したいユーザーは、Azureでサードパーティーのアンチマルウェア製品も選択できるようになった。
Microsoftは12日、TechEdで仮想ネットワーク(VNET)間の接続機能も披露している。Russinovich氏は、この機能もオンプレミスアプリ開発者の興味を引く可能性があると述べた。Microsoftの「SQL Always On」チームも2つのリージョンでフェイルオーバーを実行できる機能を求めていた。今では、複数のリージョンをまたいで、あるいは同一のリージョン内で、ゲートウェイで仮想ネットワークを相互接続できるようになった、とRussinovich氏は説明する。
次はディザスタリカバリ・アズ・ア・サービスだ。Microsoft関係者はTechEdにおいて、「Azure Hyper-V Recovery Manager」の新機能を、6月に公開するパブリックプレビュー版で追加する予定だと述べた。
現在、Hyper-V Recovery Managerは「System Center」のプライベートクラウドのディザスタリカバリを目的としている。しかし6月より、仮想マシンを顧客の主要サイトから顧客の2つめのサイトに複製するのではなく、直接Azureに複製できる機能も提供される。Microsoftは6月にプレビュー版を公開するとき、Hyper-V Recovery Managerを「Azure Site Recovery」に名称変更する予定だ。
こうした新たな提案は、クラウドを試験的に使ってみることを未だにためらっているITプロフェッショナルや開発者に響くだろうか。今週ヒューストンで開催のTechEdに参加する大勢の人々の反応は、それを占う試金石になるはずだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。