日本ヒューレット・パッカード(HP)は5月13日、無停止サーバ「HP Integrity NonStop」の新モデルと関連ソフトウェアを発表した。
同社のHPサーバー製品統括本部 統括本部長の橘一徳氏は、「ミッションクリティカル領域が、従来の基幹業務に加えビジネスアナリティクス、メールやコラボレーション、スマートグリッドのような社会インフラへと拡大している。従来はデータの中からピックアップしてやっていた分析業務が、全てのデータを取りこぼさず、リアルタイムに分析することが求められるようになった。そこに対応したNonStopのソリューションを提供する」と背景を説明した。
日本HP HPサーバー事業統括本部 HPサーバー製品統括本部 統括本部長 橘一徳氏
日本HP HPサーバー製品統括本部 エンタープライズサーバー製品部 担当部長 富田浩次氏
新たにリアルタイムデータハンドリング、アナリティクスエンジン、データベースと連携させる。NonStopのエントリモデル2製品も追加し、ミッションクリティカルデータのリアルタイム分析基盤としての機能強化を図った。
無停止サーバのニーズが拡大
日本HPでは、従来はある程度データを貯めてから行っていた分析業務がクレジットカードやネットバンキングの不正検知、災害や交通監視といった社会インフラ、リアルタイムマーケティング、製造ライン制御といった分野でリアルタイムの複合イベント処理(CEP)に対するニーズが高まっていると判断。リアルタイムにもれなくデータを取り込むIntegrity NonStopの利用シーンが拡大したと考え、機能を拡張し、新しいサーバを投入する。
機能拡張としては、NonStop専用データベース「HP NonStop SQL/MX」を64ビットアプリケーション環境に対応、分散データキャッシュ、SQL関数を追加。Integrity NonStopとCEPプラットフォーム「WebAction」を連携させた。
連携ツール「Attunity」でIntegrity NonStopとリアルタイムDB分析ソフト「HP Vertica」とも連携させる。Attunityは、Verticaとリアルタイムにデータを同期し、NonStopの中にある基幹データを分析、有効活用できるというミドルウェア。リアルタイムにデータウェアハウス(DWH)やビジネスインテリジェンス(BI)にデータを連携し、基幹システムデータのリアルタイム活用を促進し、NonStopにあるデータを有効活用できるという。
「今回の機能拡張で1秒間に5000件といった大量データの業務トランザクションを高速で処理し、高信頼、無停止のリアルタイムCEPを実現できる。例えば、NonStopにある販売データをWebActionのメモリ上にリアルタイムでフィードし、あらかじめ設定した分析シナリオにあわせ、高速でマッチング処理し、条件に合致したイベントに対しては、次のアクションである発注指示をNonStopから出す。リアルタイム分析と業務処理の連携が可能となる」(日本HP HPサーバー製品統括本部 エンタープライズサーバー製品部 担当部長 富田浩次氏)
新たなハードウェアラインアップとして「HP Integrity NonStop NS2300」「同NS2400」を発表した。両製品とも、プロセッサはItanium 9500シリーズを搭載。NS2300はシングルコア、NS2400はデュアルコアで動作し、最大で8プロセッサ、従来製品の1.5倍となる192Gバイトまでメモリを拡張できる。
位置付けとしてはNonStopの中ではエントリモデルとなるが、ソフトウェア環境、無停止アーキテクチャは上位モデルを継承している。中堅企業から大企業まで、幅広い企業のリアルタイムCEPに対応し、ビッグデータ時代のシステム基盤としている。
税別価格はNS2300が1110万円から、NS2400が1937万円からとなっている。5月13日から販売している。