クラウドフェデレーションサービスとは、同社の説明によると「ワークスタイルの変革、機動力確保などの観点で、今後、企業ではオンプレミス環境とクラウドサービスを併用するハイブリッドの利用形態が主流となる。このとき、利用者と各クラウドサービスの間に位置し、データ連携や分散配置、マスターデータ管理、ジョブ自動実行、認証/アカウント連携などの機能を提供し、システムデザインやプロビジョニング、運用を司るクラウド連携サービスとして位置付けられるもの」だという。果たして同社がこのサービスで確かなアドバンテージをとっていくことができるか、注目しておきたい。
「世界一の照合精度を誇る顔認証技術をさらに幅広く活用する」 (NEC 鈴木浩 第二官公ソリューション事業部 事業部長)
NEC 第二官公ソリューション事業部 事業部長 鈴木浩氏
NECが先ごろ、顔認証によるPCログオンやログオン中の利用者の常時確認を可能とする企業向けPC用ソフトウェア「NeoFace Monitor」の販売を開始したと発表した。顔認証製品を担当する事業部門の責任者である鈴木氏の冒頭の発言は、その発表会見の中で、同社が得意とする顔認証技術の適用範囲を一層広げていこうという意気込みを示したものである。
NeoFace Monitorは、パスワードを入力することなく、PCに内蔵されたカメラに顔をかざすだけでPCへのログオンを実現。ログオン中も常に利用者の顔認証が可能で、離席時は自動で画面をロックすることができるという。また、1つのIDを複数人で共有する場合も、各人が顔認証でログオンし、利用履歴を残すことも可能なため、PCのセキュリティを一層強化するという。
NECは、指紋照合や顔照合などのバイオメトリクス分野で40年以上の研究開発の歴史があり、顔認証のシステムとしては、香港の出入国管理システムやユニバーサル・スタジオ・ジャパンの年間パス利用者向け「顔パス入場」などに導入実績があると説明。今回の新製品にも採用されている顔認証エンジン「NeoFace」は、米国政府主催の技術コンテストで首位の評価を獲得した実績があることから、「世界一の照合精度」を前面に押し出していた。
会見で説明があったNeoFace Monitorのさらに詳細な内容については関連記事を参照いただくとして、筆者が興味深かったのは会見そのものの様子だ。顔認証という最先端技術への関心の高さを表すように、会見にはIT関連のメディア以上にテレビや一般紙の記者が目立ち、「マスクをしていたら認証できるのか」「眼帯をしていたら……」と、いつもにも増して利用者目線の質問が飛び交っていた。
バイオメトリクス分野は、NECをはじめとして日本のテクノロジベンダーのお家芸といっても過言ではない。今回の会見の様子からもそうした勢いはうかがえた。さらに高いレベルでの開発競争によって磨き上げた技術を、日本からどんどん発信していってもらいたいものである。