営業アウトソーシングサービスなどを提供するブリッジインターナショナルは、訪問ではなく電話やダイレクトメール、メールなどを使って営業活動をするインサイドセールス向けの新たなサービスとして、SaaS「Funnel Navigator」を開発した。7月にもSaaS型顧客情報管理システム(CRM)「Saleforce CRM」向けとして提供する。
Funnel Navigatorは、インサイドセールスの業務支援システムと位置付けられている。インサイドセールスを適切に導入するための初期設定支援ガイド機能とともに、顧客開拓から商談醸成までのプロセスを管理する機能を提供する。インサイドセールスでの見込み顧客の現状把握、課題の整理、原因の仮説化、解決策の策定、実行といったPDCA支援機能をクラウドベースで提供する。
インサイドセールスは、電話やメールなどの非対面チャネルを活用して、顧客とコミュニケーションする営業手法。同社では、インサイドセールスの構築を支援するコンサルティングサービス、具体的な実行やノウハウを提供するアウトソーシングサービス、それらを実現するためのシステムなどを提供。インサイドセールス育成のノウハウを活用したトレーニングサービスも提供している。
ブリッジインターナショナル 代表取締役社長 吉田融正氏
同社の330人の従業員のうち、約250人がインサイドセールスに関わるオペレーターで、東京と松山のセンターを通じてアウトソーシングサービスとして営業業務を受託。毎年2割ずつ増員しているという。
「非対面チャネルを活用するインサイドセールスは、訪問営業とは異なり、相手の反応を声で感じなければならず、フェイストゥフェイスのコミュニケーションより難しい一面がある。傾聴や共感など特有のスキル教育を受けた正社員をリソースとして提供することで、短期間で質の高いインサイドセールス活動を実現できる」(ブリッジインターナショナル代表取締役社長の吉田融正氏)という。
今回開発したFunnel Navigatorは、Salesforce CRMに対応したクラウドサービス。同社では、これまでにもSalesforce CRMのアドオンツールとして、ウェブサイトの閲覧行動をリアルタイムに可視化する「Ashiato」、見込み顧客価値可視化ツールの「Scoble」をアプリストア「AppExchange」を通じて提供。IaaS/PaaS「Microsoft Azure」上で提供しているSaaS型のソフトウェア資産管理支援システム「SAKURA」も提供している。
必要なエッセンスを搭載
Funnel Navigatorは、インサイドセールスを管理するために必要な活動の進捗、成果、課題を可視化する「Management Dashboad」、活動の計画、実行などを管理する「活動管理」機能、活動内容を蓄積、分析して今後の活動立案や改善のための情報を提供する「活動実績分析」機能、活動メンバーのコミュニケーションやノウハウを共有する「コミュニケーション支援」機能、蓄積したマーケットデータを集約、分析する「営業マーケット情報提供」機能、フィールド営業担当者が担当者企業に対するインサイドセールス活動の進捗や結果を参照する「活動参照」機能で構成。これまで「約130社の顧客に対して提供してきたインサイドセールスの実績に基づいて、必要なエッセンスを搭載した」(吉田氏)という。
ブリッジインターナショナルは、法人向け(BtoB)に特化したサービスを提供している専業企業。BtoB向けアウトバウンドテレコールサービスベンダーとしては、2009年から5年連続で国内ナンバーワンシェアを獲得、2013年には19.2%の国内シェアを持つという。
「インサイドセールスのマネジメントシステムとして今回の製品を提供することで、コンサルティングから運用、システムに至るまでのインサイドセールスに関するすべてを提供できるほか、運用部分は、他の企業や自社要員で賄いたいといった企業にもコンサルティングやソリューションを当社から提供するといった分業型の提案が可能になる」(吉田氏)としている。
Funnel Navigatorの管理画面