オールフラッシュストレージ製品を提供する米Purestorageの日本法人、ピュア・ストレージ・ジャパンは5月22日、都内で記者発表会を開催した。「フラッシュ for all」をコンセプトに、オンライントランザクション処理(OLTP)を含め、さまざまな用途に高速なフラッシュベースのストレージを提供していくとの考えを表明した。
Purestorageは、フラッシュストレージの高速性が市場で評価され「前年同期比700%の成長率を実現した」と同社はアピール。2013年第4四半期現在で、1000ユニット以上のフラッシュアレイを出荷した。
日本法人の社長、山田秀樹氏
日本法人の社長、山田秀樹氏は「企業はスピードによって差別化できる」と話す。レイテンシの違いが収益率などに影響を及ぼし、ビジネスの正否を左右するという。分かりやすい例では、オンラインショッピングで購入場面でシステムの遅延が起きれば、ユーザーはフラストレーションで購入をやめてしまう。
今後、さらに経営においてスピードが重視される中、フラッシュストレージによる処理の高速化に期待が寄せられている。
通常、「フラッシュストレージは高価」とされているが、来日した米PurestorageのJim Sangster氏は「われわれの製品が持つ重複排除や圧縮といった技術を使うことで「従来型のディスクベースのストレージよりも、われわれの製品の方が低コスト」で利用できるとアピール。
米PurestorageのJim Sangster氏
2000年代のストレージ市場において、フラッシュベースの製品はスピードが要求されるわずかな領域、金額にして年間10億ドルの市場規模しかなかった。だが、2010年代は、従来型のディスクベースの製品市場をリプレースする形で、EMC、IBM、Cisco Systemsといった企業がひしめくOLTP向けなどを含めた「ティア1」ストレージ、金額にして150億ドル以上の市場へと成長するとSangster氏は強調した。
この日は、既存の「FA-420」など主力の「FA-400」シリーズ製品ラインアップを拡充し、エントリ製品「FA-A405」、ハイエンドモデル「FA-450」、さらに運用環境の最新ソフトウェアとして「Purity 4.0」を同日から販売すると発表した。
FA-A405は、最大40Tバイト、2Uで2コントローラを搭載。FA-A450は最大250Tバイトに上る。ただし、容量は重複排除や圧縮などの機能を利用した「有効容量」だとしており、物理容量としてはFA-A450が2.75T~11Tバイト、FA-450は35T~70Tバイトだとしている。
Purestorageが想定している利用方法は、SAPやOracleなどの統合基幹業務システム(ERP)や、SQL Serverなどのデータベースの稼働といった主要アプリケーションの高速化、サーバ仮想化を含めたデータセンター統合、仮想デスクデスクトップインフラ(VDI)の稼働も想定している。
フラッシュがこれまで導入されていなかった領域をターゲットにする