SAPジャパンは5月22日、輸送管理ソフトウェアの新版「SAP Transportation Management(TM) 9.1」と倉庫管理ソフトの新版「SAP Extended Warehouse Management(EWM) 9.1」の提供を開始した。インメモリデータベース「SAP HANA」に対応しており、見積もりや需要予測をリアルタイムに展開できるという。
TMはトラックを含む国内輸送に加えて、陸上や海上、航空での国際輸送などを対象に計画から実行、追跡、決済までのプロセスを管理する。荷主、貨物利用運送事業者(フォワーダー)、キャリアなどの利用を想定している。。
TM 9.1では、購入側と販売側の両方の立場から、輸送契約を締結するために分析する機能や見積もり依頼などの機能を搭載。輸送契約作成に対応する輸送契約管理の機能も搭載している。ポータル画面を利用し、荷主、物流サービスプロバイダー(LSP)、フォワーダー、キャリア間で輸送契約や輸送オーダーの見積依頼、見積りや輸送費請求情報などをリアルタイムにやり取りできる。積載最適化機能や小荷物管理機能を追加した。
EWMは、倉庫敷地内で発生する配送品目管理、在庫受入、検品、開梱、移動、入庫などの“入荷プロセス”、棚卸し、在庫計算や補充計画を含めた“庫内プロセス”、オーダー展開、荷物の仕分け(ピッキング)、梱包、キッティング、積載や出庫を含めた“出荷プロセス”までを管理する。原材料、部品、半製品、梱包材、製品、重量や長さを基本とする不定貫品目などの取扱品目に対応している。
EWM 9.1では、出荷コックピット画面による出荷の計画や実行、モニタリング、予測分析機能を備え、HANAに対応した労働需要計画、品質管理機能との連携機能が用意されている。
EWMとTMとの直接連携機能が加わり、TMのデータを活用してEWMで効率的な配送プロセスや倉庫計画が立案できる。荷物を輸送するトラックのルートごとに、積み荷のバランスや積む順番といった積み付けのシミュレーション、積載作業の計画を効率化できるという。また、出荷コックピット画面の連携により、運送業者が事前にトラックが荷卸しするドックを指定予約できる。