電通国際情報サービス(ISID)は5月23日、製造業での製品開発段階で設計データの妥当性をコンピュータ上で解析するシステム(Computer Aided Engineering:CAE)をSaaSで提供する「PLEXUS CAE」を発表した。7月から販売する。
CAEは製品構造の複雑化などから処理が大規模化しており、必要とされる計算能力が以前よりも高くなっていることから高性能コンピューティング(HPC)の代表格といわれている。
PLEXUS CAEは、IaaS/PaaS「Amazon Web Services(AWS)」上でユーザーが選択した解析ツールやサーバ構成などを従量課金制で提供する。解析ツールは機構解析や構造解析、衝突解析など主要領域をカバーする9種類から選択可能。今後拡充する予定。クラウド上で大規模解析環境を自動で構築するCAEサービスは、国内で初めてとアピールしている。
マシン調達やアプリケーション設定など、解析に必要な環境構築作業は、ISIDが独自に開発したコントロールサーバで自動で決定するという。ユーザーは、ウェブからの操作だけで、自社の解析ニーズにあった環境を調達可能であり、解析作業までの環境構築の時間を削減できる。
ハードウェア利用料は、時間単位の従量課金制。計算処理ごとの解析サイズに応じて都度サーバの選択が可能なため、コストパフォーマンスの最大化できるとした。さらに、当月や累計の利用実績をウェブ画面上で管理する機能を提供し、利用料の上限やアラートの設定なども可能としている。
解析ツールの持ち込みやレンタル、従量課金の3種類の課金体系を用意している。ラインアップ以外のツールやユーザーの自社開発ツールも、個別カスタマイズで対応する。 解析ツールを持ち込みまたはレンタルで利用する場合には、初回利用時のみライセンス設定作業が別途発生するという。

PLEXUS CAE サービス概念図