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タイで軍事クーデター、日本企業への影響は?

ZDNet Japan Staff

2014-05-27 10:54

 タイ陸軍のプラユット司令官は22日夕方、クーデターを決行したと発表した。現行憲法を停止し、軍が全権を掌握した。当面、タイ国軍の任命した暫定政権が、政策運営を担当することになる。

日本にとって重要なタイ

 タイは、政治的に安定し社会インフラも整った国として、これまで日本の製造業が多数進出してきた。特に自動車産業やエレクトロニクス産業の集積が進んでおり、日本にとってきわめて重要な国だ。楽天証券経済研究所のチーフストラテジスト、窪田真之氏によると、タイの政治混乱がタイに進出している日本企業に悪影響を及ぼすことが懸念されるとのことだ。

 ただ、結論から言うと、現時点で日本企業に大きな悪影響が及ぶと考える人は少ない。政治は混乱していても、現地の人々は普通に生活を続けている。経済活動に深刻な影響がでるほどの混乱は、長引かないとの見方もある。

 タイ国内には、深刻な政治的対立はあるが、民族や宗教上の対立はあまり表面化していない。人口の約85%を占めるタイ族と、10%を占める華人(中国系)の融和が進んでいるからだ。タイ族もルーツをたどると中国南部から移動してきたものが多いことが、華人と民族的な摩擦が起こりにくい要因かもしれない。仏教徒が中心で、宗教的な対立も表面化していない。それが、もともとタイの治安の良さにつながってきた。もちろん、少数のイスラム教徒との摩擦はある。

日本企業への影響

 当面懸念されるのは、軍が治安維持のため、全土に夜間外出禁止令を発令していることだ。時間は午後10時から翌日午前5時まで。それに応じて、日本企業では、工場や店舗の操業時間短縮を実施するところもある。夜間外出禁止令が短期的に業績へ影響を与える可能性はある。

 もっと大きな問題は、クーデターにともなう混乱でタイの景気低迷が長引くことだ。タイでの販売が大きい日本企業に影響が出る。

<タイに進出している日本企業の例>


 ただし、タイの景気低迷は新たな悪材料ではない。2013年11月以降、タクシン派と反タクシン派の対立が激化して混乱が続く中、政権の機能不全で、予算執行も滞り、すでに経済は悪化していたからだ。

 軍部が立てる暫定政権によって、止まっていた政府機能が復活することは経済にプラスだ。暫定政権は、給付がストップしていた農家への補助金の支払い、止まっていた事業の許認可や公共投資を再開する方針を宣言している。政府機能の停止が、タイの消費や景気に悪影響を与えていただけに、クーデターで機能が回復することで、経済が復調する可能性もある。

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