Hoffman氏は5年以内に製品の認可を受けることを目指している。Sanariaはアフリカの複数のチームと一緒に、あるマラリアの勢いが強い島の25万人の人口全体にマラリアに対する免疫をつけさせ、伝染を防いで、この病気の根絶が可能であることを示そうとしている。Hoffman氏によれば、ロボットであればワクチンを早く安価に製造できるため、ワクチンを安価にすることができ、もし国連児童基金(UNICEF)のような世界的な組織と協力できれば、無料にすることも可能かもしれないという。
Indiegogoのキャンペーンで獲得しようとしている資金は、補助金やベンチャーキャピタルから得ようとすれば、1年近く時間がかかってしまう。Sanariaとハーバード大学のチームが資金を得ることができれば、キャンペーンが完了し次第プロトタイプを作り始めることができる。この25万ドルでは小規模なプロトタイプしかできないが、大規模なものを作るには、いずれ200万ドルは必要となるだろう。
Hoffman氏によれば、従来の手法では、ワクチンの構想から製品の完成までに約150万ドル必要になるという。Sanariaのこれまでの仕事は、米国立衛生研究所、米国立アレルギー感染病研究所、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、米国防総省などによって支援されてきた。同社はこれまでワクチンの開発に1億2000万ドルを費やしており、完成までには、最終的にはその2倍の額が必要になる。
Sanariaは、SporoBotを使えば解剖が自動化され、作業効率が20~30倍に改善され、コストも下がるとアピールしている。
提供:Sanaria
Hoffman氏によれば、1980年代には、マラリアは5年以内に根絶されると言われていた。同氏は、自分のワクチンに効果があると証明されたからには、これ以上は大幅に遅らせたくないと考えている。
Indiegogoのキャンペーンでは、他の健康関連プロジェクトと同様に、大衆の感情と科学に対する興味に訴えかけ、これまでとは違う層の人たちに、マラリア根絶の重要性について知らせたいとしている。Hoffman氏は医学部に通っている2人の息子の話からアイデアを得て、Sanariaのワクチンが最初にRedditに掲載されたというニュースを聞いた後、Reddit AMAを始めた。Hoffman氏は、このプロジェクトが集めた注目に驚き、喜んだ。同氏は、ここで興味を向けてくれた人たちはSnariaがこれまで働きかけていたのとはまったく異なる対象であることを知り、まもなくクラウドファンディングを利用するというアイデアを思いついた。
「私はずっと、このようなプロジェクトを支援したいと思っている熱心な人たちを逃しているのではと感じていた」とHoffman氏は言う。
「一般の人たちには、科学やテクノロジの研究や開発に貢献する方法がほとんどないが、これはこの病気を撲滅するために、大きな役割を果たすツールになることだろう」 (同氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。