5. オープンソースを検討する
10年ほど前、オープンソースは、あらゆる立場の人々が感情的にならずに話し合うことは不可能な話題として、政治や宗教と並ぶ存在だった。幸い、その後オープンソースは成熟し、オープンソースソフトウェアに対して反対や賛成の立場を表明しなくても、その恩恵を受けられるようになった。自分の環境のどの部分でオープンソースの導入が理にかなうのかを検討しよう。ただし、コストの節約が最大の目的であるなら、オープンソース利用の全体的なコストについて考える必要がある。オープンソースソフトウェアは「無料」かもしれないが、サポートや保守にはコストがかかる。
6. 「ふさわしい規模」のディザスタリカバリとセキュリティ
ディザスタリカバリとセキュリティはいずれも、リスクを軽減することとリスク回避にコストをかけすぎることとの間に最もバランスの良い点が存在する分野だ。その分布範囲の中で自分の会社がどこに位置するのかを見極めよう。もし世界中に38の冗長化されたデータセンターを設けているのなら、過剰なものを排除することで、一定のコストを迅速に節約できるかもしれない。もし備えが十分でないと感じているのなら、今投資しておくことで将来的に大きな見返りがあるかもしれない。
7. 同僚の力を借りる
筆者は詳細すぎる総所有コスト(TCO)の計算や複雑なチャージバックの仕組みを支持しているわけではない。しかし、同僚に彼らが「所有」するシステムのコストを知らせて、コストを削減する方法の特定に力を貸してもらうのは悪いことではない。詳細な数字が分からなくても、「最も役立っているもの」を特定したり、あるシステムが今でも使われているのかどうか、あるいは統合が可能なのかどうかを尋ねたりすることは、最初の一歩として理想的だ。
8. サポートの削減が適切な場合はそうする
IT部門が提供するサポートを削減すべきだと提案すると、顧客サービス志向のITリーダーの反感を買うかもしれない。しかしサービスレベルや明確なサポート要件がないと、多くのIT組織は何も考えずにアプリケーションを過剰にサポートしてしまう。誰も働いていない時間帯にも生産システムをサポートする年中無休のヘルプデスクに人員を投入している、あるいは重要度の低いアプリケーション向けに高価な監視ツールやリカバリツールを導入しているといった場合は、あなたがサポートしている事業に悪影響を及ぼすことなく、その費用をほかの場所で活用できるかもしれない。
9. コンサルタントを減らす
自分のキャリアの大半をコンサルタントとして過ごしてきた筆者は、業界の良い面と悪い面を見てきた。多くの場合、コンサルタントはアドバイスをし、技能の隙間を埋めることで、コストを節約する。しかしコンサルタントが何週間も何カ月も社内に居座り、ほとんど価値を提供していないにもかかわらず、フルタイムの職員の2~5倍の報酬を要求する事例も多い。もしコンサルタントが会社に来るようになってから3年が経過したことを祝おうとしているのなら、あるいは来訪者バッジを付けた人が周りに大勢いるのに、彼らが何をしているのか皆目見当も付かないのなら、彼らにコストをかけることが適切なのかどうかをじっくり考えた方がいい。
10. ベンダーから割引を受けられるかどうかを検討する
ITにとって、クーポンを切り取る作業に相当するのは何だろうか。それには、ベンダーとの「優先サプライヤー」契約から、四半期末および年末まで待ってベンダーから可能な限り有益な条件を引き出すことまで、あらゆることが含まれるかもしれない。ベンダーに対して情け容赦なく値引きを要求していたら、やがて関係が悪化してしまうおそれがある。しかし、複数のサービスや製品を結びつけて単一のベンダーから購入したり、1年のうちの重要な期間に優先的な条件を要求したりすることが可能で、それが理にかなう分野があるのなら、皆が得をすることになる。利用している上位2社か3社のベンダーに電話をかけて、コスト節約を実現する方法をいくつか教えてほしいと頼む、といった簡単なことを実行するだけで、いくらかの現金を自由に使えるようになるかもしれない。必要な手間は電話をかけることだけだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。