NECは5月28日、SDN(Software-Defined Networking)によりクラウド運用を自動化する「IaaS運用自動化ソリューション」の災害、障害対策機能を強化し、販売を開始すると発表した。価格は、ITリソースとネットワークリソースのオーケストレーション、監視機能を含めて882万円から。ネットワークオーケストレーションのみで782万円から(いずれも税別、SI費用、保守料含まず)。
強化点は、これまでデータセンター(DC)内ネットワークに適用していたSDNを、異なる地域にある複数DC間のネットワークにまで拡大すること。複数DCを統合したクラウド運用の自動化を可能にする。複数DCの運用コストを大幅に削減、最適化するとともに、DC間でのディザスタリカバリの導入を容易にする。
特徴は以下の通り。
リソース逼迫時のDC間リソース融通の自動化
複数のSDNコントローラを統合管理する「UNIVERGE PF6800 Unified Network Coordinator」とクラウド基盤ソフト「WebSAM vDC Automation」の連携により、複数拠点をまたがるネットワークの統合管理が可能となり、異なる地域にある複数のDCを1つの仮想DCとして運用できるようになる。DC内でリソースが逼迫した場合も、自動的に地域を超えたDC間でリソースを融通することが可能で、無駄な機器コストを削減できる。
業務システム単位での複数DC間のディザスタリカバリを自動化
業務システムが必要とするサーバ、ストレージだけでなく、ネットワークも含めて移動可能なリソースとしてプロファイルに定義できるようにした。これらを事前に、管理画面(ポータル)から物理環境に割り当てておくことで、災害発生時にも離れた地域のDCリソースを使ってワンクリックで再稼働が可能になる。バックアップを行うDC側に同一構成のリソースを用意し、設定する必要がなくなり、機器や運用コストを削減できる。
さらに、SDNにより動的にネットワーク設定を行うため、煩雑なネットワーク設定作業も不要となり、人手によるミス防止・構築時間短縮が可能となる。
ネットワークオーケストレーションに限定したライセンスの提供
ネットワークリソースのプール管理とプロビジョニング機能に限定したライセンスを新たに提供開始。これにより、マルチベンダ環境で既にITリソースの運用を行っているシステムにも、ネットワークオーケストレーション機能を導入することが可能となり、SDN環境の導入が容易になる。

複数DC間のディザスタリカバリの構成例