編集部からのお知らせ
「ZDNet Japan Summit」参加登録受付中! 
新着記事集:「負荷分散」

2050年、ビッグデータはいかにして90億人の食生活を支えるのか(後編) - (page 2)

Lyndsey Gilpin (TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2014-05-30 07:30

オープンなデータに向けた努力

 2014年の初め、パーデュー大学におけるオープン農業技術グループのAaron Ault氏が、データ収集プロセスに第三者の監査機構を組み込むというイニシアティブを提唱した。Open Ag Data Allianceは、このようにして生み出された。同プロジェクトの目標は、農業データにプライバシーとセキュリティをもたらすことである。

 Ault氏は「システム内で誰が何をいつ見るのかというのは、農業従事者によって完全に統制されなければならない」と述べたうえで、「現在ほとんどの農業従事者はサービス利用規約の内容をよく知らないため、(われわれは)彼らが契約前にその内容を把握できるようにする手段を作り上げているところだ」と語った。


Jones氏の農場の土壌検査を実施するHelena Chemicalの関係者たち。
提供:Lyndsey Gilpin/TechRepublic

 Ault氏はインディアナ州で専業農家を営む一方、パーデュー大学で各種の研究に従事してもいる。同氏は農業を独自のオープンソースプラットフォームであると捉えている。農業従事者は発明家であり、パイオニアでもある。彼らは自らの知識や農作物を近隣の人たちと共有してきた。しかし、どういうわけかその進歩のなかで、農業データの収集と共有がいらいらするほど難しいものとなったのである。

 同氏は「その理由の1つに、現状では連携がうまくいかないという点がある」と述べたうえで、「ある会社のものが他社のものとは連携できず、データの取り扱い方法についても提供されているものと、いないものがある」と説明した。

 典型的な例がJohn Deereのシステム「Apex」だ。これは他のブランドの製品やシステムのほとんどと互換性を持っていない。また、Hackney氏(同氏の会社はパーデュー大学のOpen Ag Technology Groupの筆頭スポンサーだ)の調査で明らかになったように、John Deereの契約書には同社がすべてのデータを所有するというプライバシー条項が含まれている。

 Smirin氏は多くの農業従事者が使用してきている従来のシステムについて「だんだんと知られるようになってきたことだが、彼らが信頼している会社であっても、自らのデータすべての完全な所有権を与えてくれていないところもあるのだ」と語った。

 さまざまなクラウドサービスが登場しては消えていったが、The Climate Corporationのサービスは最も信頼できるものであった。そして、Monsantoはこの新興企業を買収した数カ月後、彼らが作り出そうとしていたOpen Ag Data Allianceへの注力を表明した。

 Begemann氏は「われわれは農業従事者が自らの作り出したデータを所有するという点を強調するとともに、彼らに対して無償で基本的なデータサービスを提供し、他のプラットフォームを通じたデータ共有を無償で可能にすると約束する」と述べた。

 Open Ag Data Allianceに参加している主な組織は以下の通りだ。

 Smirin氏は「The Climate Corporation自身にも追い求めている目標がある(中略)われわれは自らのサービスを、農業従事者のための最善のものとして使ってもらいたいと考えている。しかし、彼らが自身のデータを保管するという基本的なデータサービスのみを必要としているのであれば、われわれから見えないところにそういったデータを保管すると約束する」と述べたうえで、「これは当たり前のように聞こえるが、まだ一般的になっていないプラクティスなのだ」と語った。

 またAult氏は、この連合の推進にはMonsantoが大きくかかわっているものの、プロジェクトの主導権をどれか1社が握るということはないと述べた。

 Ault氏は「これは愚直に聞こえるかもしれないが、Open Ag Data Allianceのアプローチの一部には、この組織が意味することの共通言語を定義するという目的もある」と述べた。

 この業界ではうわさはすぐに広まる。信頼が裏切られた場合、そのことがコミュニティー全体に知れ渡ってしまうのだ。

 Ault氏は「われわれはこの問題を解決し、信頼を勝ち取り、システムをセキュアにする必要がある」と述べるとともに「これを単なるリップサービスにせず、第三者によって評価できるようにし、データへのアクセスについての疑問をなくす必要がある」と述べた。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

特集

CIO

モバイル

セキュリティ

スペシャル

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. クラウドコンピューティング

    Google Cloudセキュリティ基盤ガイド、設計から運用までのポイントを網羅

  2. セキュリティ

    仮想化・自動化を活用して次世代データセンターを構築したJR東日本情報システム

  3. ビジネスアプリケーション

    スモールスタート思考で業務を改善! 「社内DX」推進のためのキホンを知る

  4. セキュリティ

    Emotetへの感染を導く攻撃メールが多数報告!侵入を前提に対応するEDRの導入が有力な解決策に

  5. セキュリティ

    偽装ウイルスを見抜けず水際対策の重要性を痛感!竹中工務店が実施した2万台のPCを守る方法とは

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]