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ウクライナやウイグル、タイなどで対立--株式市場のリスク要因を再点検

ZDNet Japan Staff

2014-05-29 13:16

 最近、領土や民族、宗教をめぐる対立が各地で先鋭化している。楽天証券経済研究所のチーフストラテジスト、窪田真之氏によると、1つ1つは世界の金融市場を揺るがすほどの要因ではないが、あまり数が多くなると、金融市場に影響が及ぶとのことだ。

地政学リスクに注意が必要

 東ウクライナのドネツクでウクライナ軍が親ロ派を空爆。中国の新疆ウイグル自治区ではテロが頻発。中国は南沙諸島をめぐり、ベトナムやフィリピンと対立。日本も尖閣諸島・竹島をめぐって中国・韓国と対立。タイで軍事クーデター。中東・北アフリカではシーア派とスンニー派の対立が継続……。

 どれも、現時点で世界の金融市場を一気に「リスクオフ」モードに転換させるほどの問題ではないと考えられるが、今後の展開は予断を許さない。地政学リスクを常に意識しておく必要がある。

 今日は、中国新疆ウイグルの民族問題について解説しよう。

中国国内の少数民族問題

 先週22日、新疆ウイグル自治区のウルムチで約80人が死傷する爆発事件が起きた。中国政府はテロ事件と断定し、周辺地区で事件と関わりがあると考えられるウイグル族の摘発、取り締まりを強化している。ウイグル自治区には、歴史的に中央アジアとつながりが深いウイグル族が多数居住していて、一部に独立を目指す動きがある。

 中国内陸部には、中国からの独立を目指す民族が居住している。ウイグル自治区とチベットがその代表だ。それぞれウイグル族・チベット族の居住地域だが、近年中国政府の積極的な入植政策によって、漢族の比率が増加している。今は、漢族の人口構成比がウイグル族・チベット族の構成比を上回るところまで増加している。

 経済に限定した話をすると、中国にとってウイグル自治区はチベットより重要だ。なぜならば、この地域にはタリム油田を始め、豊富な天然ガス、原油資源が存在するからだ。資源不足に悩む中国は、この地域で開発した天然ガスを総延長4000キロメートルのパイプラインで慢性的なエネルギー資源不足に悩む東部沿岸地帯まで移送している。このプロジェクトは、中国国内で「西気東輸」(西部のガスを東部に送る)と呼ばれ、中国経済に重要な役割を果たしている。

 資源不足は中国経済にとってアキレス腱で、ウイグルには、まだ未開発の資源が大量に存在する。民族問題とどう折り合いをつけていくのか、難しい舵取りが必要だ。

中国とロシアは表向き親密関係を維持

 中国の隣には、豊富なガス、原油資源を持つロシアが存在する。ロシアは中国本土周辺を回りこむようにパイプラインを敷設し、西シベリア産のガスをウラジオストックまで運んで、LNG(液化天然ガス)に加工して日本をはじめとしたアジア諸国に輸出する計画を進めている。

 中国は、本来ロシアから安価なガスや原油を大量に買い付ければ、エネルギー不足を簡単に解決できるはずだ。ロシアは、米国でシェールガスが豊富に取れるようになった影響で欧州へのガス販売が減少しており、なんとしてもアジアへのガス販売を拡大したいところだ。中国は目と鼻の先の有望輸出先だ。

 表面上、友好を保っている中ロ関係だが、裏には長年にわたる領土問題の確執が残っている。中国はロシアに資源を頼りきることはできないのだ。同じようにロシアも中国だけにガスを大量に販売するのには踏み切れない。ロシアから上海に伸びるパイプラインもあるが、今のところ取引量は一定水準以上に増えていない。

 過去記事は、キーワード「日本株展望」から読めます。

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