事務機業界団体JBMIA、会長に松﨑正年氏--コニカミノルタ前社長

大河原克行

2014-05-29 19:00

 複写機など事務機の業界団体である一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)は5月28日、新会長にコニカミノルタの前社長であり、現取締役会議長である松﨑正年氏が就任したと発表した。

 同日行われた会見で松﨑氏は2014年度の重点テーマとして「ワークスタイルの変化への対応」「グローバルビジネスへのさらなる対応」「製品ライフサイクルを見据えた環境対応」の3つを掲げ、「業界の継続的な成長を意識した取り組みを継続したい」と抱負を述べた。

 松﨑氏は「JBMIAは、グローバルでビジネスを展開し、世界各国で切磋琢磨し、強い競争力を持つ企業が参加している団体。日本だけでなく、米国、欧州、新興国でも日本企業同士がトップ争いをしている、日本にとって貴重な産業である」と同団体の意義を説明した。

松﨑正年氏
JBMIA新会長の松﨑正年氏(コニカミノルタ 取締役会議長)

 「JBMIA参加企業が、グローバルマーケットで成長することが、日本経済の持続的成長、日本の貿易収支、経常収支改善のために必要であり、それが当業界の使命でもある。それに応えるためには、製品やサービスの革新、新興国での産業成長とともに世界の主要プレーヤーであるとの自覚のもとに社会的責任を果たすことが必要である」(松﨑氏)

 3つの重点テーマについては、「ワークスタイルの変化を理解し、変化を先読みすることで提供する製品やサービスを革新。対応策を検討することが陳腐化を防ぎ、業界全体としてのビジネス機会を拡大できる」と説明し、続けて方針を語った。

 「グローバルな事業活動が確保できるように、ITA(世界貿易機関=WTOでの情報技術協定)の拡大交渉や保護主義的な規制対応を関係機関と適切に対処。成長国でのビジネス拡大のために情報を共有するとともに提言、助言といった能動的な取り組みも行いたい。当協会は環境先進企業が集まっている団体でもあり、低酸素社会、循環型社会の実現に向けて製品ライフサイクル視点で積極的に取り組んでいく。各国の環境法規制、エコラベルへの対応、リスク対応も進める」(松﨑氏)

内田恒二氏
JBMIA前会長の内田恒二氏(キヤノン 特別顧問)

 前会長の内田恒二氏(キヤノン特別顧問)は「会長就任当初は、東日本大震災の影響が残り、ねじれ国会で政治には期待できないというなかにあった。タイの洪水影響を受けるなど、事務機業界にとっても厳しい状況だったが、“日本の事務機業界の活性化を通じて、日本を元気にする”ことを掲げ、ようやく厳しい状況から抜け出す状況に至ってきた」と振り返った。

 「しかし、現在でもウクライナやタイなどの海外情勢から目が離せない状況にあり、グローバルで展開する企業が多い当協会にとっても大きな課題が残る。協会活動としては、過去2年間にわたって強靱な体力を担う活動に取り組んできた。運営費削減と業界を活性化させる新たな取り組みを行える体制を整えることができた。新興国市場の開拓、地球温暖化への対策、事務機を通じた環境の見える化にも取り組んできたが、新会長による強力なリーダーシップのもとに、さらなる業界発展に尽力してもらえると期待している」(内田氏)

 JBMIAの2014年度事業計画では、「将来を見据えた新たな事業展開と協会改革の継続」「ビジネスのグローバル化への対応」「循環型社会の構築推進と温暖化対策」といった松﨑氏の3つの重点テーマに則った取り組みを進める。加えて「ビジネス機械の安全確保」「標準化戦略」「知的財産の保護推進」を挙げている。

 「標準化戦略のひとつとして、日本提案に基づく国際規格である支援リクエスト付きICカードシステムがある。これは、11月に東京国際フォーラムで開催するIEC(国際電気標準会議)で来場者参加型の実証実験を行う予定である。規格の世界的な普及を図り、2020年に向けて実用化を図りたい」(JBMIA 専務理事 中西英夫氏)

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