Asia Cloud Computing Associations(ACCA)が発表した最新の「Cloud Readiness Index 2014」(2014年版クラウド導入に向けた整備指数)で最も順位を上げたのは、オーストラリア、ニュージーランド、タイ、フィリピンだ。
オーストラリアとニュージーランド、タイはそれぞれ前回から4つ順位を上げて、3位と2位、9位になった。フィリピンは3回連続で順位を2つ上げており、2011年~2014年の間に最下位から10位まで上昇した。
これらの国々で指数を高めている共通の要素は、ITCおよびクラウドポリシー計画の広がりだ、とACCAは指摘した。例えば、ニュージーランド政府による「ICT Strategy and Action Plan 2017」への集中的な取り組みは、企業がクラウドを利用しやすい環境を作り出す鍵となるだろう。
同様に、オーストラリアではクラウド事業に関する法的環境と投資環境が成熟してきたことにより、ビジネスの洗練度が高まり、より企業に優しいIT環境が育まれるだろうとACCAは述べた。
ACCAのエグゼクティブディレクターであるLim May-Ann氏は、「政府は概してクラウドコンピューティングの導入をためらいがちで、相反するメッセージを市場に送ってきた」と述べた。
「成功を収めている経済国が採用した政策の成果を見れば分かるように、政府主導型の積極的なクラウド優先政策は、経済に強力で生産的な影響を及ぼす」(May-Ann氏)
同指数を見ると、アジア太平洋地域でクラウドが最も整備されているのは日本であることが分かる。日本は3年連続で首位に輝いている。
出典:Asia Cloud Computing Association 2014
最も後退したのは韓国とインドで、それぞれ4つ順位を下げた。韓国はこれまでで最も低い順位となった。ACCAは「これはアジア太平洋地域の進化の速さを証明する警告的な現象だ」と述べている。
香港と台湾も2つ順位を下げ、中国とインドネシア、ベトナムはそれぞれ1つずつ順位を下げた。
Asia Cloud Computing Associationの会長であるBernie Trudel氏は、これはクラウド整備が後退していることを示すものではなく、むしろアジアの進化の速さを示していると述べた。
「周りのペースに走って付いていかなければならない地域では、国々がゴールをしっかり見据えて、コースから脱落しないようにしなければならない」(Trudel氏)
「Cloud Readiness Index 2014」は、プライバシーとデータ主権、国際的接続性、ブロードバンド品質、政府の規制環境および利用状況、送電系統およびグリーンポリシー(環境方針)、知的財産保護、ビジネスの洗練度、データセンターのリスク、情報アクセスの自由の10の指標に関して各国を評価している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。