トレンドマイクロとデロイト トーマツ サイバーセキュリティ先端研究所(DT-ARLCS)、デロイト トーマツ コンサルティング(DTC)は6月3日、公共機関向けサイバーセキュリティコンサルティング事業で協業すると発表した。
今回の協業は、高度なサイバー攻撃への対策強化が目的。3者が持つ知見を活用した研究と対応策を開発、提供していく。
DT-ARLCSはトーマツグループのサイバーセキュリティの専門家を集結させ、サイバー攻撃に対抗するための基礎研究などを行う有限責任監査法人トーマツ内の組織。そこで得られた知見は、DTCを含むトーマツグループ各社が提供するセキュリティ関連の調査業務やコンサルティングサービスに活用している。
具体的な協業内容は(1)DT-ARLCSとトレンドマイクロ、それぞれの研究成果の情報を共有、共同で調査研究する、(2)DTCとトレンドマイクロでサイバー攻撃に対する対応策を開発、提供――の2点になる。
(1)では、DT-ARLCSの企業向けシステムセキュリティ脆弱性診断、サイバーインシデント分析(コンピュータフォレンジック)などのナレッジと、トレンドマイクロの不正プログラムと攻撃手法解析の知見、サイバー攻撃の傾向に関するナレッジ、脅威に対する防御の技術を融合し、サイバー攻撃対策で共同で調査、研究する。
(2)では、世界各国のデロイトが提供してきた対応策を活用し、主に政府系機関をはじめとする公共機関に向けてサイバー攻撃の予防、発見、事後対応までを含めた最適な技術を共同で提案する。DTCとトレンドマイクロ協同のプロジェクトチームが対応策提案から導入実現までを支援する。
高度な知見や技術を備えた攻撃者によるサイバースパイ活動やサイバー攻撃で外交や最先端技術に関する情報が漏洩する可能性や重要インフラに対するサイバー攻撃被害が報告されている。このような攻撃者からの組織的な攻撃に対して対策が求められる公共機関には、最新の脅威や攻撃者組織の動向などの知見が不可欠と説明している。