米Talendは4月2日、同社のデータ統合ツール製品が米ClouderaのHadoopベース統合ビッグデータソリューションの最新版「Cloudera Enterprise 5」の認定を取得したと発表した。これを受けて日本市場では、両社の日本法人の間で技術およびマーケティング協業を開始し、幅広い企業におけるビッグデータプロジェクトの推進を支援していくこととなった。Talend日本法人が6月10日、発表した。
Cloudera Enterprise 5の認定製品となったのは、オープンソースの統合ツール「Talend Open Studio for Big Data」、商用製品「Talend Enterprise Big Data」、ならびにソリューションパッケージ「Talend Platform for Big Data」の3製品。いずれも、Hadoop対応のビッグデータ統合製品として、YARNをサポートし、パフォーマンス最適化ツールなどを搭載している。
なお、TalendではHadoop技術に対し、データストアとしてのHadoop基盤と、並列分散処理をするHadoop基盤の、2つの取り組みを進めている。まずデータストアに関しては、データ統合やデータ品質の確保が、膨大なデータを経営に活用する際の最も困難な課題の1つとなっている。
これに対し、Talendの統合ツールは、オープンソースモデルを採用し大規模な開発コミュニティに支えられていることから、接続コンポーネントは500種類以上と豊富なデータソースに対応可能。特にClouderaのようなビッグデータプラットフォームへの対応が早いという。そのため、既存のRDBからHadoopプラットホームへ、あるいはHadoopプラットホームからトランザクションシステムへと、Hadoopを一つのデータストア(データソース)として簡単に取り扱うことが可能となる。
一方、Hadoopは大量データを短時間で並列分散処理することから今後のビッグデータ活用に有望な処理基盤とされているが、オープンソースのApache Hadoopは開発や運用に高度なスキルやノウハウが必要という課題がある。
Cloudera Enterpriseは、ClouderaのHadoop商用ディストリビューションをコアとし、システム管理ツール「Cloudera Manager」、データ管理ツール「Cloudera Navigator」、テクニカルサポートサービスを一体化しており、ビッグデータを活用したい一般企業がHadoopを使いこなすための課題を解決するソリューションとなっている。
また、Talendの統合ツールはシンプルなGUIでHadoop上でネイティブに稼働させることが可能な統合コード(実行ジョブ)を生成することが可能だ。センサやスマートメーターなどが生成する膨大なデータでも、リアルタイムに統合処理することができる。
このTalend統合ツールが、「Cloudera Certified Technology」プログラムにおいて、Hadoopと統合するためのAPIをサポートし、Clouderaの開発ガイドラインに則していることがテストにより確認され、Cloudera Enterprise 5の認定テクノロジーとなった。これにより、ユーザー企業は、ClouderaとTalendを組み合わせて最適なコストでビッグデータプロジェクトを実現することが可能となる。