世界最高のプログラマーはポーランドにいる。そのことが公式に認められた。
史上初のコーディング世界選手権がフィンランドのヘルシンキで現地時間6月10日夜に開催され、バーチャルカーによるレースの決勝でNeed for Cチームがゴールドメダルを獲得した。「Hello World Open 2014」を正式名称とするこの大会は、コーディングに対する一般の認識を変え、普及を促進することを目的としている。
大会主催者であるVille Valtonen氏は次のように語った。「コーディングはクールなものだと考えている。一般の人々のコーディングに対する認識は、今も昔のままだ。ステレオタイプなプログラマーのイメージを一新し、若い人々がコーディングを始めるきっかけを与えたい。誰もがプログラマーになる必要はないが、できるだけ多くの人に挑戦するきっかけを与えたいと思う」
優勝チームは、そうしたきっかけを大いに与えている。チームメンバーのTomasz Zurkowski氏、Piotr Zurkowski氏、Wojciech Jaskowski氏は、自分たちで作成した車両を使ったバーチャルカーレースで、決勝に進出したほかの7チームを破り、首に3Dメダルをかけられて、チーム全体で5000ユーロの賞金を受け取った。
変わった話だが、ほかの決勝進出チームと同じく、Need for Cチームのメンバーそれぞれに工具メーカーFiskarsの斧が贈られている。Fiskarsはフィンランドのスポンサー企業の1社だ。ほかには、主催者であるゲーム大手のSupercellとITソフトウェアコンサルティング企業のReaktorがスポンサーになっている。
「今回の大会で最も驚いたのは、非常に多くの人が自分たちのボットのコーディングに真剣に取り組んでいたことだ。そのような人々と一緒に作業し、レースをしたこと、そして戦略や可能性について話し合ったことは、素晴らしい経験だった」(Need for Cチーム)
同チームの世界チャンピオンへの道のりは、Hello World Openの予選ラウンドに参加した4月から始まった。予選には92カ国から4000人以上のプログラマーが参加した。1~3人のプログラマーで構成されるチームは、人工知能を備えたバーチャルレースカーを作成し、対戦相手と、変化する路面状況の両方に対処しながら、バーチャルカーを自律走行させなければならなかった。
ヘルシンキで開催の決勝には、ポーランドチームのほかに7チームが進出。その内訳は、スロバキアから1チーム、フィンランドから1チーム、ブラジルから2チーム、ロシアから3チームだ。各チームのバーチャルカーが観客の前で対戦し、Need for Cが優勝した。
兄弟であるTomasz Zurkowski氏とPiotr Zurkowski氏、そして、Wojciech Jaskowski氏で構成されるポーランドのチーム。ブラジル、スロバキア、フィンランド、ロシアからのチームを破り初のコーディング世界王者となった。
提供:Tuomas Sauliala
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。