日本IBMは6月12日、ウェブアプリケーションサーバ「IBM WebSphere Application Server(WAS)」の軽量の実行環境「Liberty Profile」の機能強化を発表した。Liberty ProfileをベースとしたLiberty Coreエディションの税別のライセンス利用料金は3708円から。6月13日から提供する。
Liberty Profileは、WAS 8.5から提供されている実行環境。クラウドに加えて、開発と運用が連携する“DevOps”の考え方が広まりつつあり、アプリケーションだけではなく、ミドルウェアの構成も一体として開発する“Infrastructure as Code”のニーズが高まっていることから、機能を強化した。
今回の機能強化では、PaaS環境構築ソフトウェア「Cloud Foundry」をベースにした実行環境「IBM WebSphere Liberty Buildpack」を提供する。ソフトウェア開発プロジェクトのための共有ウェブサービス「GitHub」に公開されているBuildpackを使用することで、Cloud Foundryに対応したPaaS環境上にウェブアプリケーションの実行環境を迅速に構築できるという。
Cloud FoundryをベースにしたパブリックのPaaS「IBM Bluemix」上でもJavaアプリケーションの実行環境としてLiberty Profileが採用されており、Cloud Foundryに対応したPaaS基盤とBluemixの両方のクラウド環境でLiberty Profileを活用できる。
DevOps関連では、「Ant」や「Maven」などのビルドツール、「Jenkins」などの継続的インテグレーション(CI)ツール、「Chef」などのインフラ構築自動化ツールとの連携を強化した。これらのツールとの連携で必要なプラグインは、GitHub上に公開されている。アプリケーションの開発からシステムの構築と更新までを自動化することが容易になり、変化に俊敏に対応できるシステムを実現できるという。
Libertyランタイムの拡張機能、管理ツール、サンプルコードなどを提供するオンラインリポジトリ「IBM WebSphere Liberty Repository」も提供する。Liberty Profileを自由に拡張できるという。
このリポジトリでモバイル端末からもアクセスが可能なウェブベースの管理ツール「IBM WebSphere Liberty Administrative Center」を提供し、サーバやアプリケーションの稼働状況を一元的に管理できるとしている。Java EE標準のコネクタアーキテクチャ(JCA 1.6)に基づいた「IBM WebSphere Liberty Connector Architecture」で既存システムとの連携を強化する。