先週の日経平均は、1週間で20円上昇し、1万5097円となった。先週前半は、利益確定売りが出て一時1万5000円を割った。ただし、1万5000円割れでは押し目買いが入り、切り返した。
今週は1万5000円台で堅調と予想
<日経平均週足>2013年1月~2014年6月13日

日経平均は、6月に入り、1~5月の間、上値を抑えてきた抵抗線を超え、上昇基調に入りつつある。先週は、日経平均1万5000円で一旦達成感が出て反落したが、週末にかけて切り返した。楽天証券経済研究所のチーフストラテジスト窪田真之氏の分析によると、投資環境は良好で、今週も少しずつ下値を切り上げる展開が予想されるとのことだ。
週末に、イラクで政府軍と反政府勢力との武力衝突が激化し、イラク原油の供給が減少する思惑を生じ、原油価格が上昇している。ただ世界の金融市場を撹乱する要因とは考えてられない。
外国人投資家は法人減税に注目
経済成長を重視するアベノミクスに期待して、外国人投資家は昨年15兆円も日本株を買い越した。ところが、今年は、アベノミクスへの期待感が低下しているようだ。外国人投資家には、安倍首相の経済を強くする熱意が薄れたと映っている。
安倍首相は13日午後、官邸で記者会見し、法人実効税率を来年度から数年間で20%台に引き下げる方針を表明した。年末の来年度税制改正で本格的な検討が始まる。
法人減税への道筋がつけば、外国人投資家がもう一度アベノミクスを見直すきっかけとなるだろう。現在、日本の法人税の実効税率は、東京都に本社を置く大企業平均で約38%だ。国際比較で高すぎる日本の法人税率は、日本企業の国際競争力をそいできた。実効税率20%台への引き下げ方針は、日本企業の競争力回復に寄与する。
経済成長を重視する改革を行う国に投資マネーが集まる
最近、外国人投資家が「政治の変化」に注目する度合いが強まっている。インド株式市場には、成長重視の経済改革を進めるモディ政権の誕生に期待する投資マネーが流入している。同じく、経済成長に熱心な政権が誕生する期待から、インドネシア株も上昇している。
法人減税の実現などによってアベノミクスへの評価が回復すれば、ふたたび、外国人が日本株を買ってくる可能性がある。
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