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新着記事集:「負荷分散」

建設・土木株の利益回復は本物か?

ZDNet Japan Staff

2014-06-17 12:39

 楽天証券経済研究所のチーフストラテジスト窪田真之氏の分析によると、建設・土木株は、ようやく「利益なき繁忙」を脱し、「利益を伴う繁忙期」に入りつつあると考えられるとのことだ。ここ数年、建設・土木業界は、決算が出るたびに投資家を失望させてきた。仕事はたくさんあっても人出不足でこなせず、人件費や資材費の上昇が利益を圧迫する問題が顕著だった。

 ところが、前期(2014年3月期)決算から、会社予想を上回る利益を出すゼネコンが増えた。

利益度外視の受注競争から、利益重視の選別重視に転換

 仕事量が絶対的に不足していた時代は、最低限の稼働率を確保するためにゼネコン各社は安値受注を繰り返していた。特に、都心部の大型開発では、各社が一斉に安値入札をする結果、落札したほとんど全社が赤字受注というケースが後を絶たなかった。

 風向きが変わったのが、ここ1~2年だ。仕事はいくらでもあるが、労働者の確保ができなくて、工事が進まない例が増えた。直近、さらに民間建設需要が戻ると、受注量確保より人員など施工能力の確保の方が大変になってきた。 こういう環境のもとで、ゼネコン各社は安値での受注合戦をやめた。低採算の案件を謝絶し、高採算の案件を選別受注する余裕が出てきたからだ。

 業界の環境変化を反映し、発注価格も徐々に上昇しつつある。 ゼネコン各社は、仕事量の増加と受注単価の上昇で、今後2~3年、利益が拡大基調に入ると予想される。

東京オリンピックで、東京再開発が加速

 東京オリンピックの波及効果はかなり大きくなりそうだ。オリンピック需要を、競技場や選手村施設などの建設だけととらえると、実態を見誤る。オリンピックはたかだか20日程度のイベントだ。直接必要になる建設需要は大したことがない。しかも、実際の建築工事は2015年以降に出るわけで、まだ先の話だ。

 大きいのは、オリンピック招致をきっかけに、東京のインフラ再構築を一気に進める動きが出ていることだ。高速道路や地下鉄の拡張・耐震補強、老朽化した建築物の建て替え、通信網の再整備や電線の地中化など、これまで懸案になって手がつけられていなかったことが、オリンピック誘致をきっかけに一斉に動き出す気配がある。オリンピックで訪れる外国人観光客の「おもてなし」を口実に、東京を新しい都市に作り替えてしまおうとする試みだ。

 窪田氏によると、オリンピック誘致にこだわった東京都の狙いはそこにあるのではないかとのこと。 さらに、都心部で空室率の低下が続いていることから、民間の建築需要が回復している効果も大きい。耐震基準を満たしていない古いビルを集約して大型のオフィス、商業スペースの複合施設に作り替える計画が、東京都内で多数動き始めている。

建設・土木関連の参考銘柄



(注)会社予想は各社決算短信、市場予想は6月16日時点のIFISコンセンサス予想

 建設・土木各社は、今期(2015年3月期)業績予想を保守的(低め)に出しているが、実際の利益は上ブレすると予想される。

 過去記事は、キーワード「日本株展望」から読めます。

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