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松岡功の一言もの申す

輸出向けリユースPC基準策定の一挙両得

松岡功

2014-06-18 07:30

 再利用可能な中古PCが、途上国などへ輸出されるケースが増えている。だが、その実態は不明で品質基準もないことから、業界団体が環境整備に乗り出した。この取り組みは一挙両得の効果がありそうだ。

輸出向けリユースPCが抱える問題


「DirectReuse」ロゴシール

 一般社団法人の情報機器リユース・リサイクル協会(RITEA)がこのほど、「輸出用リユースパソコンなどの製品化基準」を策定し、再利用(リユース)可能な中古PCを輸出する際に、一定の品質基準を満たした製品をRITEAで認定する制度を設けた。

 RITEAによると、再利用可能な中古PC(リユースPC)の国内販売台数はここ数年、前年度比10%前後の伸びを示し、2012年度で210万台規模に達している。これに伴い、リユースPCを途上国などへ輸出する動きも活発になってきたが、その実態は不明で品質基準もなく、中には輸出先において劣悪な環境の下で解体して部品や金属だけを回収するケースもあり、健康や環境への悪影響も指摘されてきた。

 さらに、リユースPCは2013年度の販売台数実績がまだ明らかになっていないものの、「Windows XP」のサポートが今年4月に終了したことから、買い替えが進んで一段と増加したとみられている。これに伴って輸出も増加すれば、さまざまな問題が一層浮き彫りになってくる可能性がある。

 こうした事態に向け、経済産業省や環境省は、PCをはじめリユースに適さない使用済み電気・電子機器の不正な輸出の防止を目的に、「使用済み電気・電子機器の輸出時における中古品判断基準」を2013年9月に発表し、この4月から適用を開始した。今回RITEAが策定した製品化基準は、これに則ってPCをはじめとした中古情報機器の輸出の際に、さらに対処すべき製品品質を整理したものである。

途上国のIT化の進展に寄与

 具体的な制度の施行方法としては、RITEAの基準を満たしたリユースPCに対し、その証明として「DirectReuse」と記されたロゴシールを貼り付けるとともに、輸出用リユースPCを製品化する事業者や、輸出して販売状況をフィードバックする事業者をRITEAとして認定する形にした。すでに、製品化する事業者にはRITEA加盟会員から7社が認定取得しており、そのうち4社が輸出取り扱い事業者の認定も受けているという。このエコシステムを今後さらに拡大していく計画だ。

 RITEAの専務理事兼事務局長である小澤昇氏は今回の取り組みについて、「新たな制度によって、適正なリユースPCの輸出を一層促進するとともに、途上国のIT化の進展に寄与できると考えている。また、国際的な条約や国内の法律で規定されている特定有害廃棄物の輸出防止にも効果的だ。さらに、リユースPCの輸出段階におけるトレーサビリティ(履歴管理)も明確化できるようになるだろう」と、まさに一挙両得の効果があることを強調した。

 小澤氏によると、こうした取り組みは「世界中でも聞いたことがない」とか。リユースPCの活用は国内だけでなく、とりわけ途上国でのニーズが高まってきている。モノもさることながら、輸出時の調達や供給形態のノウハウそのものも蓄積していけば、さらに国際貢献できるようになるのではないか。そんな視点でも注目しておきたい。

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