会長に豆蔵の荻原社長--シンクタンク化とグローバル化目指すCSAJ新体制のキモ - (page 2)

大河原克行

2014-06-20 16:37

 荻原氏は「海外に出て行くには、JISAとも提携しなくてはならないだろう。日本から地下鉄の技術を輸出する際に、トンネルは掘れるし、運転手も派遣できるが、地下鉄を制御するシステムは誰もわからないということが起こっている。そうしたところでは、ソフトウェア技術を輸出していく余地がある」と解説。「MIJSコンソーシアムとは一緒になりたいと思っている。できれば早い段階で実行したい」とコメントした。

 青野氏も「MIJSコンソーシアムの活動は、本来はCSAJの中で行ってもよかった活動かもしれない。今回の新たな体制でCSAJは、明確に世界へ出て行くというメッセージを出している。そうした意味でも、一緒にになった方がいいだろう。私は、MIJSのグローバル委員会の委員長を務めている。世界展開という観点で一緒に活動ができればいい」と述べ、CSAJの会長、副会長の総意として、MIJSコンソーシアムとの統合を視野に入れている姿勢を示した。

青野慶久氏
CSAJ副会長を務めるサイボウズ代表取締役社長の青野慶久氏

日本のプログラマーは従順でいい子たちばかり

 青野氏が実行委員長を務めるU-22プログラミング・コンテストについても、説明された。

 U-22プログラミング・コンテストは、1980年から34年間に渡って、経済産業省が主催してきた「U-20プログラミング・コンテスト」を継承する形で、U-22プログラミング・コンテスト実行委員会が主催。運営事務局をCSAJに置く形で開催するプログラミングコンテストだ。応募対象者は、コンテストの名称通り、従来の20歳以下から22歳以下へと拡大している。

 青野氏は「クリエイティブ、イノベーティブなブログラマーを排出したい。なぜ、GoogleやSalesforce.comのような会社が日本から出ないのか。それは当然である。日本が育ててきたプログラマーは従順でいい子たちばかり。CSAJではなく、JISAの方の会員企業に行ってしまうだろう」との認識を示して、こう続けた。

 「御用聞きのプログラマーから世界に通用する製品は出てこない。世界に通用するプログラマーを育てないと、面白いグローバルカンパニーは出てこない。それが私の考え方。そのための触媒であり、舞台になるのがU-22プログラミング・コンテストとなる。審査はプログラムの出来映えだけを問わない。オリジナリティ、芸術性や見た目、将来性も含まれる。尖ったプログラマーをここで発掘して、世の中に送り込んでいきたい」

 審査委員長には、尚美学園大学教授の小泉力一氏、審査委員には、Rubyアソシエーション理事長のまつもとゆきひろ氏、日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行などが参加。10月5日に最終審査が行われる。

 今回から表彰のほか、副賞が授与されることになった。

 副賞は、経済産業大臣賞として奨学金5万円、経済産業省商務情報政策局長賞として奨学金3万円、CSAJ会長賞として奨学金3万円。スポンサー企業賞として7社から副賞が用意され、サイボウズ賞では清涼飲料水「レッドブル」100本が贈られる。「副賞がレッドブル100本。こんなノリでコンテストを開催したい」と青野氏は語った。

CSAJ新執行部
CSAJ新執行部

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